突然ですが幸せって何でしょうか?

 答えはもちろんポン酢しょうゆのある家です。(なつかしいですよね。これが分るのは30代後半からでしょうか?)でも、この幸せの定義けっこう正しいかもしれません。
 そこで、今回は私がいつも作っているポン酢の作り方を紹介します。
 ポン酢は肉・魚・野菜・豆腐・ギョーザ・鍋といろいろな料理に使えるので、どこの家庭でも必ずといっていいくらい冷蔵庫に入っていると思います。
 手作りするとおいしくて出来ますし、市販のもののように添加物や果糖ブドウ糖液糖などが入らないので安心です。

 ポン酢を作るのにまず必要なのは、ユズ・カボス・スダチなどの柑橘類の果汁です。これらが手に入る時期に、果汁をたくさん絞って、冷凍保存しておくと、いつでもそれを少しずつ使ってポン酢が作れます。一度にたくさん作って保存する方法もあるみたいだけど、作ったものを置いておくスペースがない場合にはこちらがお勧めです。
 またユズ・カボスなどがない時には、レモン(国産)果汁を使っても作れます。
 作り方は簡単で、まず、しょうゆ・みりん(煮切ってアルコールを飛ばす)・柑橘果汁と酢の合わせたものを1対1対1の割合で混ぜます。それぞれ150mlにするくらいが使いやすい分量だと思います。
 私はユズを使って作っています。でも、ユズはそれほどたくさん果汁が絞れず、冷凍保存してある量が少ないので、ユズ果汁45mlくらいと酢100mlを合わせています。もっと果汁を多く入れた方がおいしく作れるかもしれませんが、この酢と果汁の割合は好みで決めてください。
 そして、しょうゆ、みりん、果汁・酢を合わせたものに、だし昆布やかつお節を適量入れます。それを1日ほど置き(夏場は冷蔵庫に入れる)、濾すと完成です。お好みのものにかけてお楽しみください。


 話は少し変わりますが、この記事を書いているとき、つんくさんが以前テレビでポン酢を毎年作っている、と話していたのを思い出しました。
 彼が喉頭がんで声帯を摘出したという発表は、多くの人に驚きをもたらした思います。命と引きかえにすることは出来なかったでしょうが、歌手にとって一生声を失うということは、私たちの想像を超えたつらさだったはずです。
 つんくさんがシャ乱Qや、モーニング娘。のプロデュースで大ブレイクして多くのファンがいることは誰もが知るところです。
 そして、モーニング娘の人気が落ちたあとも、(私は詳しくは知りませんが)ハロプロのアイドルのプロデューサーとして良い仕事をずっと続けていて、最近ではそれがモーニング娘の再ブレイクなどの形となって現れてきた矢先だったことも、さらに不運な印象を与える原因になったように思えます。
 この先の仕事がどうなるかは体調次第でしょうが、今回のつらい出来事を通して見えてくることも必ずあるはずです。だから、病気や困難を乗り超えたつんくさんの新しい生き方や仕事はとても気になりますし、陰ながらですが応援したいなと思いました。



 手洗いを何度も行うことは、強迫性障害の特徴的な症状です。
 他人や床・地面の汚れ、目に見えないバイ菌、排泄物などを過剰に汚いと思ってしまい、それらに触れると汚れを落とすために、手を繰り返し念入りに洗います。
 その汚れが実際に存在して、体に影響することはまずないでしょう。しかし、心の中の想像によって作られた汚れは、無くすことが難しいので、いつまでも手を洗うようになってしまいます。
 こういったことが起きるのは、「汚れがある・それを避けたい」という強迫観念を作りだす心の問題が大きいのでしょうが、手を洗うという動作にも意味があると私は思っています。というのは、手を洗うことには不安を取り除く効果がある、と言われているからです。
 手は脳と密接な関係を持ち、右手は左脳、左手は右脳とつながっています。念入りに手を洗うことは、脳のバランスを整える行為とも考えられます。
 脳のバランスの悪さ・歪みは、精神的な問題をもたらすと言われていますが、両手を合わせて手をよく洗う動作がこの歪みを整え、気持ちを落ち着かせてくれるのではないでしょうか。
 また手を洗うと、手指の緊張をもみほぐす効果もあります。手のこわばりは脳の緊張ともつながっているので、手洗いでこのこわばりを柔らかくすると、不安の解消につながるとも考えられます。

 しかし、強迫性障害では手洗いが症状として現れると、いつまでも手を洗うようになり、日常生活に支障をきたすまでになってしまいます。だから、「手洗いが不安を取りのぞいて、脳を整えてくれる」というのは、強迫性障害の手洗い症状に悩む人にとって正しいと思えない考え方かもしれません。
 それでも、手洗いをやめることに関しては「強迫性障害について2」で書いたように、手洗いを気のすむまで徹底して行えば、手を洗いたい気持ちはかなり弱まると私は考えています。手を洗うのが止められなくなるのは、脳・体が望む行為である手洗いを無駄なことと考え、「止めよう、止めよう」としてしまうところにも原因があるのではないでしょうか。
 この考えは、強迫行為の本当の苦しさを知らない部外者の空想に聞こえるかもしれません。しかし、手をこすり合わせることの効果を私自身が実感したことがあるので、今回どうしても手洗いについて取りあげてみたかったのです。

 以前、このブログでパニック障害について、薬を使わないで治す方法や自身の症状克服の経験を書きました。
 薬を使わない治療法について調べていくうちに、精神疾患に対するセロトニン効果の研究を行っている東邦大学名誉教授の有田秀穂先生の著書などを読むようになりました。その中で、うつやパニック障害、強迫性障害などの精神疾患が、セロトニンという脳内物質の不足と関係すると言われていることを初めて知りました。
 有田先生によると、セロトニンを増やすには「日光を浴びる」、「リズム運動を行う」、「ふれあい」という3つの方法が効果的ということです。
 そんなセロトニンの大切さを知ったある時、ふと、「リズム運動と、手をこすり合わせて脳を整えるという考えを一緒にしてみたらどうだろう」ということが頭をよぎったので、リズムを意識しながら手をこすり合わせてみることにしました。
 これは理屈としては気持ちを落ちつかせることと、脳を整えることを同時に行っているということになります。
 実際にこれを行ってみると、気持ちが落ちつくのが感じられました。そして、自分では克服したと思っていたけれど、その頃まだ少し心の底に残っていたパニック発作への不安がなくなったので、その効果に驚きました。
 そんな私の経験から、この方法は強迫性障害の人の不安な気持ちを落ちつかせることにも役立つはず、と思っています。
 私は今も一日一回行っています。これは簡単な短い時間でできる動作なので、一度試して頂きたい方法です。 

 やり方は、手洗いやハンドクリームをつけるときのように手をこすり合わせます。両手のひらをこすったり、手のひらで甲をさすったり、甲と甲をこすり合わせてたりと決まりなく、気の向くままに行って下さい。決まった動きはなく、手が望むように動かすのがポイントで、これが脳を整えるのに役立ちます。
 そしてこの時に、こすり合わせる速度を、遅くても早くてもいいので、自分の行いたい速さで一定にしてください。一定のリズムで動かすことでセロトニン効果が得られます。
 これを少しの間、一定の速度を保つのが面倒になって、「もういいか」と思うまで行います。私はだいたい30秒から1分くらい行っていますが、もっと長い時間やりたい場合は気のすむまで行ってみてください。
 ただ、注意してほしいのは、頑張ってやらないということです。手を一定の速度でこすって、手の動きが止まったり、動かすのが面倒になったらそこで終わってください。やりたくなくなっても頑張って続けると、毎日やれないですし、脳を緊張させてしまうので逆効果になります。
 また、お手玉をするとセロトニンを増やし、不安の軽減や不眠の解消に効果がある、というのを最近テレビで見ました。このお手玉によるセロトニン効果は、今回紹介した方法と同じことだと思います。
 私は自分の紹介した方法が効果的で、時間も短くすむと思っているのでこちらを勧めます。しかし、お手玉も具体的な分かりやすい方法なので、お手玉のほうがピンと来たという人は、そちらのほうが良いかもしれません。


 手をよく洗って脳のバランスを整えたい、という無意識の欲求が、「バイ菌がある・汚れを避けたい」などの強迫観念を作りだして、強迫性障害のしつこい手洗いを行わせている可能性もあります。
 合掌やお祈りで両手を合わせるのも、脳のバランスを整えて心を鎮めるためとも考えられます。両手を合わせるということには、私たちが思っている以上の意味があるのかもしれません。
 疑似手洗いとも言える今回の「手のリズムこすり合わせ」は、脳のバランスを整え、手洗い症状の改善や不安の軽減、また脳の活性化にも効果が期待できるものなので、ぜひ一度お試しください。 



 現在の精神医学で、強迫性障害の原因として考えられているのは脳内のセロトニン不足です。セロトニンは覚醒をもたらす脳内物質で、精神を安定させる働きをします。
 「幸せ物質」とも呼ばれるセロトニンが不足すると気分が落ちこむ(うつ)、不安が強くなる(不安障害・パニック障害)、些細なことが気になる(強迫性障害)、といったことが起こます。
 脳はストレスを感じると、それに対応するためノルアドレナリンという脳内物質を分泌します。ノルアドレナリンが過剰に分泌されると不安・緊張が高まりますが、セロトニンはこの働きを抑える役割をしています。
 しかし、良くない生活習慣や、ストレス・緊張の多い生活によってセロトニンが不足するようになると、ノルアドレナリンが増え、精神を不安定にすると考えられています。
 これらのセロトニン不足からくる症状を取りのぞくために、病院で処方されるのは新型抗うつ薬SSRI です。SSRIは精神科で安易に出される薬ですが、依存性や副作用などさまざまな問題がある薬ですので注意が必要です。(新聞やテレビで取りあげられないこの薬の問題を、専門書やネットで知ると恐ろしくなってしまいます)
 西洋医学の薬は、痛みがあったら鎮痛剤、熱があったら解熱剤というように、症状をただ無くせばいいと考える対症療法です。それが必要な場合もあるでしょうが、対症療法は根本的な治癒をもたらすものではありません。
 SSRIも強迫性障害の原因の一つと考えられるセロトニン不足を解消するためだけのもので、あまり良い薬とは言えませんから、薬を飲むだけという治療は止めた方がいいと思います。
 SSRIを飲んで強迫性障害が本当の意味で治ることはないと思います。しかし、症状を一時的にでも軽くする効果はあるみたいなので、セロトニンの不足が強迫性障害と関係していることは確かです。
 SSRIが脳内のセロトニンを増やす仕組みは不自然なものですが、薬に頼らずにセロトニンを増やす方法はあるので、こちらを生活に取り入れる方がはるかに安全で効果的です。


 セロトニンの研究で有名な有田秀穂東邦大学名誉教授によるとセロトニンを増やすためには、次の3つのことを意識すると良いそうです。

1・日光を浴びる 適度に日光を浴びることは、セロトニンの分泌のために必要不可欠です。セロトニンは日中に良く分泌されるので、夜型より朝早く起きる生活のほうが良く、部屋も太陽光を入れて明るくするようにします。

2・リズム運動 ウォーキング・ジョギング・水泳などの有酸素運動を息が切れない程度に、5~30分、一定のリズムで行うとセロトニンが脳内で増えます。食事やガムをよく噛むことでもリズム運動になっているそうです。

3・ふれあい スキンシップ・マッサージ・人に親切にする・楽しく語らう・ペットをかわいがる、といったことでもセロトニンが活性化するということです。
 
 セロトニンは脳内のセロトニン神経で一定の間隔で分泌されています。この分泌はストレスなどによって左右されないという特徴があるそうです。ですからセロトニンが多く分泌されるようになると、ストレス・不安に強くなり、小さなことにこだわらなくなっていきます。
 また、セロトニンは体内でトリプトファンという物質から作られます。トリプトファンは肉・魚・豆類・卵・チーズ・バナナなどに多く含まれています。
 特にバナナは、セロトニン合成のためにトリプトファンと一緒に摂る必要のある、炭水化物とビタミンB6(玄米・大豆・魚の赤身・レバーなどに含まれる)の3つが含まれる理想的な食品だそうです。
 
夜型の生活をしない、日光を浴びて軽い運動をする、楽しく人とコミュニケーションする、正しい食生活を送るといった、ある意味当り前なことを行えば、セロトニンは増え、気持ちが安定しやすくなります。これは薬でセロトニン神経を不自然にいじるよりはるかに良いことなので、習慣に取りいれるようにするといいと思います。


 皆さんはレモンが好きですか?レモンといってもふつうは、揚げ物についてくるものを絞る程度にしか使わないので、たいていの人は好き嫌いを考えることはないかもしれません。
 しかし、レモンの酸味が苦手な人はいるかもしれないですが、あのさわやかな香りが嫌いという人は少ないと思います。
 レモンの香り成分は皮に多く含まれているそうです。ですから、最近流行っている塩レモンや、レモンを使う料理では皮まで使うレシピが多くなっています。
 ネットで調べると、肉・魚料理に使ったり、レモンちらし寿司からレモン鍋、レモンピクルス、デザート、ケーキ、ドリンクと本当にたくさんのレシピがでています。(料理で皮ごと使う場合は国産レモンを使いましょう。輸入レモンには発がん性のある、イマリザル・TBC・TBZなどの防カビ剤が使われているのでお気をつけください)
 今回ネットで見た中に、レモンパスタ(ゆでたパスタにすりおろしたレモンとレモン果汁、塩コショー、バターまたはオリーブ油を加えたもの)とレモンフレンチトーストというのがあって、とてもおいしそうだったので作ってみたいなと思いました。

 私も国産レモンが手に入りやすい時期になると、その香りを楽しむべく料理に使います。
 手の込んだレシピで作ったレモン料理もおいしいと思いますが、面倒くさがりなので、もっと単純な使い方・皮を細かくみじん切りにしていつも作る料理に加える、ということをしています。
 いろんな料理にレモンを刻み入れますが、思いつく限り挙げてみると、カレー・クリームシチュー・パスタ・ピザ・焼きそば・チャーハン・オムレツ・サラダ・ポテトサラダなど。また和食系なら、納豆・もずく酢などに加えますが、特にお勧めなのが、かき揚げの材料に入れて一緒に揚げたものです。(これはみじん切りでなく、細切りにしたものを使います)
 こってりしたものからさっぱりしたもの、トマト味からチーズ、クリーム、ケッチャップ、マヨネーズ、しょうゆなどいろんな味にこのレモンを刻んだものは加えられます。
 皮のみじん切りを入れると、レモンの香りのアクセントが強くなりますが、その味がクセになって料理のたびにせっせと刻んでいます。みじん切りが苦手という人でも皮の香りが好きになれば、すすんで切りたくなると思います。
 香りづけのために皮をすりおろして料理に加える、というやり方もあるけど、細かく刻んだ方が断然レモンの風味を楽しめると思います。
 私が皮ばかり使うので、家の冷蔵庫には皮をむいて白くなったレモンが入っていることが多くなっています。果肉のほうは、傷んで捨ててしまうのはもったいないから使うという感じなので、完全に皮が主役です。


 レモンの香りがこれほど好きになるのはどうしてなのか不思議です。皮に含まれる成分に、何か秘密の健康効果があるのではないか、とも思ってしまいます。
 果肉部分は、肌に良いビタミンCと疲労回復をもたらすクエン酸が豊富なのは知られています。
 一方、皮のほうにはポリフェノールが含まれ、コレステロールを抑制して動脈硬化を防いだり、抗酸化作用があったりするそうです。レモンの抗酸化作用は、先ほど皮だけ切ったレモンが冷蔵庫に入っていると言いましたが、包丁で皮をむいたその切り口が、そのままにしておいてもなかなか痛まないことからよくわかる気がします。

 料理好きな人、手間を惜しまないという人は、塩レモンやその他のレシピで丸ごと使うとよりレモンを楽しめると思います。
 でも、いつもの料理に皮を刻んで入れるだけ、というこの方法でもレモンの香りを十分に味わえます。とにかくこれにハマっている私は、料理をするとき、何かレモンの皮を入れられるものはないか、といつも考えてしまいます。
 レモンのみじん切りを加えるだけで今までにない味を楽しめると思うので、料理のバリエーションを増やすという意味でも一度お試しください。
 

 (前回からの続き)

 前回は、強迫性障害の症状を軽減するために、強迫行為を否定せずに気のすむまでやってみることについて書きました。
 今回の記事では、症状克服に役立つもう一つの考え方について書いてみたいと思います。

 強迫性障害の治療法としては、薬物療法以外だと認知行動療法が行われると思います。
 この療法で主に行われるのは曝露反応妨害です。これは苦痛に思えることをあえてしてみて、それを気にかけずやり過ごし慣れていくというものです。この曝露反応妨害は、実際に効果があるみたいなので、強迫性障害の治療としては最適なものだと思います。
 一方、症状がそれほど重くなかったり、曝露法で改善しないときは、前回書いたように、強迫行為を気のすむまでやってみることが良い場合もあるかもしれません。

 曝露法は症状をどちらかというと否定する方法、気のすむまで行うのは症状を肯定する方法ですが、これらの方法を行う前に知っておいてもらえれば、より症状改善に役立つと私が思う考え方があります。それは、

「自分を否定も肯定もしないであるがままに見る」

ということです。
 ふつうは誰でも症状に対して「これはダメだ」と否定したり、「これでいい」と肯定したりしますが、それは結局症状にとらわれていることになると思います。しかし、否定も肯定もなくあるがままに自分自身を見られれば、症状にとらわれることが少なくなっていきます。
 強迫性障害では、「汚れがある・火事になったら困る」といった強迫観念がまず起き、それを打ち消すために「手を洗う・ガス栓を確認する」などの強迫行為を繰り返すようになります。
 強迫観念は、はたから見れば不合理な考えで、本人もそれがおかしなものだと分かっていますが、どうしても気になり逃れることができません。
 強迫観念・行為が繰り返されるようになると、それを止めようとしてもうまくいかず、そのことによって葛藤やネガティブな考えが生まれてしまいます。
 しかし、「なぜこんな事をするのだろう」「またダメだ」といった考えは心を不安定にして、症状をさらに悪化させます。
 そこで、「汚れがある・火事になったら」などの強迫観念が起きたとき、そのことにとらわれている自分を感情や考えをまじえず、ありのままに見てみてみるようにします。頭の中が強迫観念でいっぱいの自分であることを知り、それを肯定も否定もしないで見つめると心が静かになり、不安が大きくなることは少なくなります。
 自分をそれ以上のもの「こんな自分であってはいけない」でも、それ以下のもの「こんな自分ではダメだ」とも思わずにいれば、そこに残るのは「強迫観念を抱えて、それに悩んでいる自分がいる」という事実だけです。そのとき事実をただ見つめて逃げなければ、葛藤が生まれることはなくなります。

 これは問題に対して受け身で何もしないことに聞こえるかもしれません。
 しかし、葛藤・不安なく自分自身を見つめていると、私たちがふだん気づかない、心の奥にある知恵のようなものが働き出します。この働きによって強迫観念は、心に根づくことなく消えていきます。そのことが、強迫観念・行為のことでいっぱいだった心に変化をもたらします。そして、これを続けていくと、強迫観念にとらわれることが少なくなっている自分に気づくと思います。

 このことさえ行えば、すべて良くなるとはもちろん言えません。
 自分を見つめるようにしても、今までと同じく強迫行為をくり返し、ネガティブな感情を持ってしまうことはあると思います。したがって、曝露療法などの治療を、これまで通り地道に行うことは必要でしょう。
 しかし、この自分自身をありのままに知ることは、症状改善に役立つ意味のあることですから、強迫行為をやり過ごす、または行うにしても、まず自分を見つめてみてからにするのがいいと私は思います。


 自らの心をそのままに見ることは、強迫性障害に悩む人だけでなく、あらゆる人にとっても大切なことです。
 人は他人を嫉妬したり、自信が持てない、人を憎むなどさまざまな気持ちを持つと思います。
 それは自分の中のネガティブな見たくない部分なので、私たちはそれらの感情・考えを黙って見つめることはありません。その代り自らの感情を否定・改善・無視しようとしたり、開き直って肯定・強調したりします。
 しかし、これらの行いは今回の記事で述べてきたように、自らの感情・考えに対するとらわれになります。
 嫉妬している、自信が持てないなどの自分に対して「ダメだ」とか、「正しい」とか考えると、今度は「ダメだから何とかしなければ。でもどうすればいいか分からない」「正しいはずだが苦しい」などそれについての別の考えが浮かんできます。そうすると心が際限なく葛藤・悩みを生みだし、問題を心に根づかせてしまうようになります。
 これは誰の心にも起きていることだと思います。
 心が陥るこの負の連鎖を避けるためには、自分のそのままの姿を知ることが必要です。
 「私は自信がない・嫉妬している」などといった事実を肯定も否定もせずに見て、そういう自分であるということを知るようにしてみてください。そこには「自信がない(嫉妬している)自分がいる」という事実があるだけで、問題がそこで終わっていることに気づくはずです。というのは、問題は事実を否定・肯定することによって生まれる、際限ない葛藤・考えによってもたらされていたからです。
 自信がないから落ちこんだり、逆に自信をつけようとあれこれせずに、「自分は自信がない」ということを知って事実を受け入れてしまえば、悩むことはなくなります。
 そうすると私たちの心は正しく働き、ネガティブなものは整理されてその力を失うでしょう。そして、それが自信がある・ないといったことを超えた心の安定をもたらします。
 心が正しく働くというのは、私たちの心の奥にある知恵、自然治癒力のようなものが働くということです。これは私たちのふだんの意識を超えたもので、自分について考え・悩むことがなくなったときに働くものです。言葉で説明するのは難しいですが、実際に自分を見つめてみて、このことが起きるのを体験してもらえたらと思います。

 最後のところは強迫性障害から離れてしまった感じもしますが、問題の本質的なところではつながっていると思うのでご容赦ください。
 今回の記事で何度も書いた、「自分をありのままに見る」ということは、私が多くのことを学んだインドの哲人クリシュナムルティの考えから来ています。
 今の世の中では、問題に対して何かをするという考え方があふれていますが、この「何もしないでただ見つめる」ことの大切さは知られていないと思います。
 心をありのままに見つめ、自分の心のあらゆる動き、隠れた欲求、気持ちを知って「自分」という枠を壊していくことは、クリシュナムルティの教えの主要なテーマです。
 今回はそれが、強迫性障害克服のための参考となると考えたので、私なりに要約して記事にしてみました。話がややこしかったかもしれませんが、このことが少しでも症状改善のお役に立てばと思っています。
 

プロフィール

Author:まやと
努力なしで最大限の成果を得られる健康法を日々探求しています。趣味 野菜料理を作る 音楽を聴く
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