つい最近高速バスに乗ったときのことです。
 夜遅いバスだったのでウトウトしていると終点に着きました。
 人気も少ない車内でノロノロと帰り支度をして、網棚の上の荷物を降ろそうとすると、私のリュックの向こうに婦人物の革の財布が置いてありました。
 私の後ろの席に座って途中で降りたのは、若い男性2人だったので彼らのものではたぶんないでしょう。
 だいたい網棚に財布だけ載せるなんてことはちょっと考えられません。おそらくですが、その財布は私が乗ったバスの前の便の乗客が、カバンを網棚から降ろす際に落としたもので、それがそのまま置いてあったということだと思います。
 少し使い込んだ赤色の財布で、ずっしりした中身がけっこう入っていそうなものでした。
 それを手に持った瞬間「おっー臨時収入だ。あぶく銭が入る!」といつもお金に不自由している私はとっさに思ってしまい、買いたいものあれこれが目の前に浮かびました。
 ーーーーが、そうは言っても落とした人は困っているでしょう。そして人のお金を取って後ろめたい気持ちになるのも嫌なので、財布はバスの運転手に渡して帰りました。
 千円くらい拾ったなら黙って失敬しちゃうかもしれませんが、けっこうなお金を(ホントかなり入っていそうな財布でした)ポケットに入れる気にはどうもなれませんでした。
 日本では落とした財布がそのまま戻ってくることが多いとよく言われます。私も少し心がグラついたのですが、一応日本人の気質を持っているんだな、と再確認した次第です。
 やっぱり良くないことをすれば、それが自分に返ってくるのは確かだと思っています。


 お金で後ろめたいというと、だいぶ前にこんなこともありました。
 その日、CDショップで4、5枚のCDを買いました。
 支払いを済まして家に帰る途中、先ほどの買い物が少し安かったような気がして、レシートを見てみました。
 すると1枚のCDを間違えて会計し忘れていて、それをタダでもらったみたいな事になっていました。
 たぶんそのまま帰ってもバレることはなかったでしょう。でもお金を払わなかったそのCDは、私がどうしても欲しくて、この先大切に聴き続けるだろうと思いながら買ったものでした。
 2枚組で3600円くらいして、タダなら「ラッキー」なのかもしれませんが、それを聴くたびに「あぁ、これはタダでもらっちゃたCD」と脳裏を罪悪感がよぎっては、せっかくの音楽も台無しです。
 このまま持って帰れば必ずそうなると思ったので、CDショップまですぐに引き返し、店員に「このCD、会計忘れていますよ」とお金を支払い、ちゃんと買いました。
 そのCDは今は聴くことがないけれど、その当時は何度も何度も聴いたので、あの時欲に目がくらまなくて本当に正解だったと思います。 
 お金を払ったときちょっと面白かったのは、CDショップの店員の表情が「すみません助かりました」ではなく、「馬鹿正直な人もいるもんだ」というキョトンとしたものだったことです。
 

 
 といいつつ私もいつも真面目という訳ではなく、間違って得たお金をそのままにしちゃったこともあります。
 もう20年以上前の話です。服屋で何着か服を買ったのですが、その中の1枚に3000円のTシャツがありました。(3000円のTシャツなんて高すぎて今の私は買いませんが)
 そのTシャツを家に帰って着てみると、ちょっとキツかったので翌日返品しに行きました。
 店でそのことを言うと、若い女性店員が「合うサイズのものがないかもう一度見てください」と無愛想に言ってきました。売り場で確認してもサイズがないことを告げると、露骨に嫌な顔をして3000円返してきました。
 その態度に少々カチンときて、「こんな所2度と来るか」と思いながら店を後にしました。
 そのあと買い物をして財布を開いてみると、お金がなんか増えているような気がします。
 「あれっ?」とよく確かめてみると、どうもさっきの店員がよこした3枚のお札の一番下が5千円札だったみたいです。3000円のつもりで7000円渡していたということで、こちらが4000円の儲けになっています。
 返品したときに「いいですよ」とにこやかに言ってくれていればもちろん返しに行きましたが、頭にくる態度だったので「ざまー見ろ」と返すことなど一瞬も考えずに、自分のものにしてしまいました。
 もうかったお金で私は美味いものを食べたけれど、あの服屋では閉店後レジが合わなくて大変だったでしょう。





DSCN1209_(2)_convert_20161023223501.jpg


 いきなり下手な字の写真ですみません。
 これは私が趣味でやっている般若心経の写経です。今回はこの趣味について書いてみたいと思います。

 この般若心経、あまりお見せできるようなものではないのですが、ふつうに書かれるものとちょっと違ったところがあります。
 それは何かというと、紙のちょうど真ん中の10行目「集滅道無智亦無」のところまでは右手で書き、そのあとの「得」からは左手で書いています。
 般若心経は、始まりの「観自在菩薩」から、最後の「菩提薩婆訶」のあとに書く「般若心経」までを入れると全部で266文字になります。この266文字を2つに分けると、この「無得」のところが境目になります。
 通常よく書かれる般若心経は1行17文字ですが、1行を14文字にすると、このように全ての文字が19行できっちりバランスよく収まるようになります。
 この写経のやり方は、幼児教育や右脳開発などの研究家で知られる七田眞氏の本で知りました。その本に載っていた14文字19行できれいに整えられた般若心経を見ると、きっちりしたシンメトリーから力強さと安定感を感じました。とても面白そうなのでよく調べてみると、これは橘香道という方が研究して考えた方法ということだそうです。
 この独自の写経法を作りだした橘香道さんによると、半分に分けられた般若心経の前半部分は陽のエネルギーを、後半は陰のエネルギーを表わし、陰陽が一枚の紙の中で合わさることで調和のとれたものになるということです。
 この書き方を知ったとき、「じゃあ後半部は左手で書けばよりバランスがとれることになるのでは」という考えが浮かびました。
 その当時、私は写経に少し興味を持っていたので、ちょっと試してみることにしました。書いてみると簡単には出来ませんでしたが、何か不思議な感覚・面白さがあります。「けっこう楽しいかも」と書き続けているうちに、自然と趣味になりました。
 はじめはペンを使っていましたが、だんだん慣れてきて筆ペンで書けるようになりました。
(下手だけれど私が左手で字を書けるのは、今まで記事にしたことのないある健康法を行ってきたためです。これは少し変わった興味深いものなので、近いうちにブログに書きたいと思っています)


 この写経を始めて3年ほどたちました。
 字を書くことや写経は、脳を活性化させるといいますし、さらに筆を使い左手でも書けば左右の脳がかなり活性化するはずです。脳が活性化することで心地良さを感じ、飽きずに続けられているのだと思います。
 左右の手で書くことで何か頭が良くなったとか、特別な能力に目覚めたとかは正直ないです。でも、やること自体になんともいえない楽しさがあり、毎日のように書いています。
 もう少し左右ともうまく書けたらいいのですが、これでも昔と比べればだいぶ上達しています。



DSCN1215_(2)_convert_20161023223557.jpg

 左手はこんなかんじ
 ぺんてるの極細というのを使っています。先が細くてコントロールが難しいので、これで書けるようになったのはちょっと嬉しいです。


DSCN1213_(2)_convert_20161023223353.jpg


 右手
 よくある写経体は好きではないので自分なりの字で書いています。
 ずっと書き続けているのに思うように上達しないのは音楽を聞きながら書いているからでしょうか。写経をするのに不まじめな感じですが、始めたころからそうして気分良く続けているので「まあいいかな」と思っています。



 この変わった趣味は、左右の手でただ字の練習をするということでは続かなかったと思います。やはり般若心経を写経するということが大きかったはずです。
 般若心経は日本で一番親しまれているお経だと思います。書かれている内容は仏教の教えを凝縮した深いもので、読経や写経すると功徳があるとされています。
 般若心経がインドで成立したのは4世紀ごろとされ、それが中国に伝わり翻訳されて私たちがいま目にしている漢文のものになりました。
 その内容の深さや、繰り返しの多いリズムの良さ、覚えやすいちょうどいい長さ、また漢字の視覚的な力などが、般若心経を他とは違う特別なものにしているのだと思います。

 本屋に行けば般若心経についての本が数多くあります。仏教者やさまざまな人が内容の解説をしたもの、初めて触れる人のための分かりやすいもの、さらに写経を練習するための本もたくさんあり、般若心経への関心の深さがうかがえます。(みうらじゅんさんの「アウトドア般若心経」なんていうおもしろいものもありました)
 それらの本では般若心経を読経することや、写経することが勧められています。
 多くの仏教宗派で唱えられているお経なので、般若心経を唱えることが出来る人は多いでしょう。
 内容を知っているのに越したことはありませんが、意味を知らないで読経しても、たくさん唱えることで心が落ち着き、健康になったり、頭がよくなるとも言われています。
 写経も古いと7世紀に書かれたものがあり、それ以降僧侶や信者、書家、一般の人まで多くの人によって長年にわたり書き続けられてきました。
 現在も写経会があちこちで行われ、若い人にも写経が人気になっているみたいです。変わった写経としては私みたいに左手で書くという人もいるようですし、米粒に一字ずつ書く人もテレビで見たことがあります。
 このように長年唱えられ写経され、さまざまな解釈がされてきた般若心経には、そこに一つの宇宙があると言ったらいいでしょうか、人を引き付ける不思議なエネルギー、普遍的な何かがあると思います。




DSCN1222_(2)_convert_20161023223637.jpg



 無という字を形よく書くのがなかなか難しいです。この真ん中の無はけっこう気に入っています。
 昔は1日1時間以上かけて最後まで仕上げていたけど、今は30分ほどで数行ずつ書くかんじです。
 3年でこれくらい書けるようになったので、10年書けばもう少し人に見せられるものが書けるようになるかなと思っています。とはいっても字はいくら練習しても全く上手くならないので、作品として完成度が上がるかは自信はありません。
 でも、楽しみで書いているのでそんなに上達しなくてもいいかなとも思っています。作品としてどうかと考えるより無心で書くことが大切なのでしょう。
 あとこれからやってみたいのは隷書や篆書で書いてみることです。左手で書くにはこういった書体が向いているかもしれません。

 

 健康法について書くいつもの記事ではそれを試すことをお勧めしていますが、今回の私の趣味は行うのが難しいので勧められないな、と思っていました。
 でも、この記事を書くために調べてみて初めて知ったのですが、写経ってお手本を紙の下に敷いてそれをなぞることが多いんですね。恥ずかしながら知りませんでした。
 しかし、なぞるのであれば左手でも書けるかもしれません。初めに鉛筆でなぞり、だんだん筆で書くようにすれば出来なくはないでしょう。
 ですから今回の記事を読んで、もし興味を持たれた方がいたら、なぞり書きでやってみるのもいいかもしれません。この写経の楽しみを少しでも知ってもらえたらと思っていますので、良かったらお試しください。


  

 (前回からの続き)

 がんになっても今は治療が進歩しているので、長く生きることは可能だと思います。
 しかし、日本ではがんで死ぬ人が一番多いので、がんを予防できれば長生きできる、ということも言えなくはないと思います。
 今、長寿日本一の県は長野です。調べてみると、やはり長野はがんの死亡率(75才以下でがん死する人の割合)も日本一低くなっています。これは十年近く続いているようです。
 長野県が長寿のわけは、以前は取り過ぎだった食塩を減らした、水・空気が良い、高齢者の就業率が高い、検診を受ける・喫煙率が低いなど健康への意識が高い、といったことが言われたりしますが、野菜をたくさん摂ることも大きいと思います。
 長野県は野菜の摂取量が日本一多く、ほかの摂取量の多い県よりも頭一つ抜けるほど摂っています。
 野菜や果物、ソバ、山菜、キノコ、味噌、発酵食品などを本当にたくさん食べています。こういった植物性食品ががんなどの病気を防ぐので、長生きの人が多いのでしょう。
 ちなみに、私の住んでいる県も野菜の摂取量が多く、全国の上位5県に入っています。そして、がんで死ぬ割合もかなり少ないほうです。寿命のランキングは上の下くらいですが、健康寿命という日常生活を制限なく生きられる長さの指標は、長野より上位になっています。(ちょっとした田舎自慢してみました)



 植物に含まれる栄養素・ファイトケミカルは、植物が紫外線や害虫から自らを守るために作りだす物質で、たくさんの種類があります。
 これらには高い抗酸化作用や抗がん作用、免疫力を高める作用などがあり、私たちの健康を守り、がんなどを防ぐ働きをしてくれます。(以前ファイトケミカルのことを記事にしたので良かったらご覧ください「無努力食生活10」)

 抗がん作用の高いファイトケミカルを含む植物性食品は、次のようなものがあります。
 ほうれん草やブロッコリーなどの青物野菜 小松菜やキャベツ、大根、カブ、白菜、カリフラワーなどのアブラナ科の野菜 タマネギやニンニク、ネギ、ニラなどのユリ科の野菜 βカロテンが多い人参 そしてショウガ、大豆、キノコ類、柑橘類、海藻、ナス、キュウリなどにも抗がん作用があります。こういった食品を旬の時期にいろいろと食べることが、がんを防ぐことにつながります。
 ファイトケミカルは皮の部分や、大根・人参の葉といったところに多く含まれているので、なるべく野菜は丸ごと食べるようにします。
 最近はスムージーなど生の野菜・果物を摂ることが流行っています。生の野菜には酵素がたくさんあってとてもいいのですが、ファイトケミカルをたくさん摂るためには野菜を煮てスープやみそ汁などにすることがお勧めです。
 ファイトケミカルは繊維の中に入っているので、煮るなど調理して(加熱で減ることはない)、野菜の繊維を壊すとたくさん摂取することができます。


 今、アメリカでは野菜の摂取量が日本よりも多くなっているそうです。
 アメリカ政府は健康な生活のために、1日に5皿の野菜・果物を摂ることを勧める「ファイブ・ア・デイ・プログラム」や、食事の良いバランスを表にした「フードガイドプログラム」、がんを予防する効果の高い野菜を知らせる「デザイナーフーズ・プログラム」といった野菜を摂ることを積極的に推奨する運動を行っています。そして、それだけが原因ではないと思いますが、現在アメリカのがん発症率は日本より低くなっています。
 それに比べると、日本では野菜・果物を食べることのさまざまな健康効果について知らせる努力が少ないように感じられます。
 肉や魚などから取る栄養も大切かもしれないですが、植物のファイトケミカルは私たちにとって特に必要なものです。この驚くべき健康効果を知れば、人間の食事はファイトケミカルを摂る行為という面が大きい、と誰でも考えるようになるはずです。
 ファイトケミカルには多くの種類があり(1万種類ともいわれる)、その一日の必要摂取量があるわけではありません。しかし、日々の食事でいろいろなファイトケミカルをたくさん摂り、それを長年続けていくことで大きな健康効果が得られると言われています。(といって今まで食べてこなかったとしても、今日から植物性食品を食べ続けることでも十分に健康効果はあるはずです)

 
 日本人は野菜を食べることが、かなり減っているように思います。
 食事は肉料理などの動物性食品や炭水化物が主体で、野菜はつけ合わせにちょっとある程度という人が多いのではないでしょうか。
 これは食事として間違いなくバランスが悪く、もっと野菜を増やして動物性食品を減らすことを意識するべきだと思います。
 今回この記事を書くために調べて驚いたことは、お隣韓国の野菜摂取量の多さです。日本の倍の量食べていて世界一だそうです。
 韓国というと焼肉が思い浮かび、肉をよく食べるというイメージがありました。ところが韓国の人は肉を食べるにしても、野菜を巻いたり、キムチやナムルを一緒にたくさん食べるなどしているそうです。
 日本だと焼肉といえば肉を食べるのがほとんどで、野菜はキムチやサラダをちょっと食べるくらいでしょう。そういう肉ばかりの食事だと消化に悪く、腸内では悪玉菌が増え(便やおならがとても臭くなるのは悪玉菌が多くなっているため)、それがさまざまな病気につながる原因になります。

 
 野菜の摂取量が減っている原因の一つには、スーパーなどで売られている野菜においしくないものが多い、ということもあるように思います。
 これは消費者が、野菜の色や形・大きさが均一なもの、虫くいの無いもの(虫などが入っているのは論外でしょう)、安いものをとにかく買おうとすることにも原因があります。そういった要求があるため、生産者が化学肥料や農薬をたくさん使うようになって、野菜の味・栄養が落ちてしまっています。
 その野菜を健康のためといって食べてもあまりおいしくないので、野菜を食べない人が増えているのではないでしょうか。
 スーパーの野菜にもおいしいものはあり、食べれば栄養も取れるとは思います。でも、旬の野菜のおいしさを味わいたかったら、有機栽培のものや、生協・農産物直売所で売っているものを買ったり、家庭菜園で作ったりするなどする必要があるでしょう。

 本当は誰もがおいしい野菜を手軽に買えて、外食でも食べられるのが一番良いはずです。 
 今は外食や市販の弁当などでは野菜を食べられないことが多いでしょうから、ファイトケミカルを摂るためには自ら意識していろいろと工夫しなければなりません。
 そうやって野菜・果物を食べるようにするのは面倒なことかもしませんが、ファイトケミカルを摂れば、それだけ私たちの体は病気から守られるようになります。
 現代では、野菜本来のおいしさを知ることがなかなか出来なかったり、外食や加工食品を食べることが増えたりして、野菜離れが進んでいます。
 その結果ファイトケミカルの摂取量が減って免疫力が落ち、がんなどの病気になりやすくなっていると思います。風邪をいつもひくような人は、野菜をあまり食べてないことが多いのではないでしょうか。
 本当は健康のために食べるのではなく、野菜はおいしいから食べるものだと私は思っています。大量生産されたものでない旬の野菜は、噛むほどに甘く味わいのあるものです。そして、そのおいしさの源が栄養であり、その栄養が私たちの体を作り守ってくれます。



 私ががん予防のために心がけていることとして、「ストレスを減らす」「化学物質を避ける」「野菜を食べる」という3つについて書いてきました。
 この3つに、タバコを吸わない、適度な飲酒、運動をするということを加えれば、絶対にとは言えないでしょうが、かなりがんを防げると思います。
 あと、がんは早期発見が大切だということで、がん検診が勧められています。しかし、がん検診は、その効果がはっきりしないところもあるそうです。
 がん検診を疑問視する人の本を読むと、受けても受けなくても死亡率が変わらなかったり、毎年レントゲンを撮ることでがんになるリスクが上がったり、外国で効果が認められないとされた検診が日本で行われていたりするなどの問題があるみたいです。
 がん検診については、これらの意見も参考にするのも必要だと私は思っています。


 

 (前回からの続き)

 前回は、強いストレスはがんの原因となるので、がん予防のためにはストレスへの対処が必要ということを書きました。今回は食品添加物や化学物質を避けることについてです。


 最近、アメリカでサッカーをやっている女子選手に血液性のがんが多発して問題になっているそうです。
 その原因は、サッカー場の人工芝のクッション材で使われるゴムチップにあると考えられています。発症するのは特にゴールキーパーが多く、これはキーパーがシュートを防ぐために何度も人工芝に倒れ込んで、ゴムチップの粉塵を大量に吸い込むためだそうです。
 このゴムチップは廃タイヤから作られるもので、カーボンブラックや鉛、ベンゼン、ヒ素など人体にとても有害な物質を含んでいます。
 この問題は学校のグランドの多くが人工芝になっているアメリカで大きな話題になっていて、政府もその危険性を認め、今後何らかの対策が取られるだろうということです。
 日本でも人工芝のグランドは増えていて(アメリカと同じようにゴムチップが使われている)、この問題を国会で質問された文部科学大臣と厚労大臣は、なんらかの調査を行うということを述べています。
 日本では人工芝といえば野球場のイメージです。しかし、そこでプレーすることの多いプロ野球選手にがんやその他の病気が多発した、ということも今までないですから、やはりこのがんの多発は、キーパーが顔を人工芝に近づけることが、大きな要因だったのでしょう。
 といっても、人工芝の上でサッカーみたいなスポーツをすれば、ゴムチップの粉が舞い上がりやすく、靴下などがその屑だらけになったりするそうなので、それを吸い込むことや、すり傷から体内に入り込むことは十分考えられ、化学物質の影響を受けやすい子どもには危険性が高いように思えます。

 この問題で私が関心を持ったのは、発がん性があるとされる物質が、その危険性の通りにがんを発症させたということです。カーボンブラックと鉛は、国際がん研究機関で発がん性があるとされています。
 私が発がん性があるといって思い浮かべるのは、タバコや放射能、電磁波などです。でもタバコを吸ったり、レントゲンを撮ったりしても、ただちに多くの人ががんになるという事はないので、発がん性があると言われてもそんなに体に影響があるのかな、とピンとこないところはありました。
 しかし、この問題では、発がん物質とされるものが明らかに短期間でガンをもたらしているので、発がん性の科学的な評価というのは、かなり正しいものだとよく分かった気がしました。
 思い返してみれば、日本の印刷工場で働いている人に、胆管がんという珍しいがんが多発したなんてこともありました。これも印刷に使う有機溶剤に発がん性があったためとされています。
 そして、他にもアスベストの問題がありましたし、調べてみると、工業的に使われるコールタールや芳香族アミンという染料などの発がん物質でガンが発生したこともあったそうです。 
 これらのことから、科学的に発がん性ありと評価されるものはやはり危険な物質であり、安全でないとされる化学物質やタバコ、放射能といったものも、すぐに影響はないかもしれないけれど、がん発症のリスクをたしかに高めるということになります。
 やはり発がん性があるとされるものには、十分注意しなければならないということでしょう。
 しかし、私たちがいつも口にしているものに、発がん性が疑われる添加物が使われているということは、あまり知られてないような気がします。
 食品添加物は公的な審査を経て、安全とされたものしか使われないことになっていますが、日本の基準は企業に甘かったり、外国からの圧力で変えられたりするので、安全ではないところがあります。
 

 ここで食品添加物で特に危険と考えられているものを挙げてみます。

「亜硝酸ナトリウム」 明太子、数の子、ハム、ソーセージなどに加えられている発色剤。体内で反応して発がん性物質に変化する。

「カラメル色素」 ジュース、インスタントラーメン、お菓子など多くのものに使われている着色料。発がん性があるとされる。カラメル色素にはいくつか種類があって安全なものもあるが、表示からは分からないので避けたほうがいい。

「アスパルテーム」 カロリーオフの飲料、食品によく使われる。カロリーゼロの合成甘味料ですが、発がん性が疑われている。他の合成甘味料スクラロースやアセスルファムKにも問題が多い。
 
「タール色素」 赤色○号、青色○号などと表示される合成着色料はがんやアレルギーの原因になる恐れがある。今はあまり使われるなくなってきたが、漬物やお菓子に使われていることがあるので要注意。 

「OPP」「TBZ」「イマザリル」 これらは輸入のオレンジ・グレープフルーツ・レモンに使われる防カビ剤で、強い発がん性や催奇形性がある物質。もともとは日本で禁止されていたが、アメリカの圧力で使用が認められるようになった。皮にかけられているので、これらの果物でマーマレードを作るのは危険です。

「サッカリンNa」 発がん性が疑われている。醤油や歯磨き粉などに使われる。      


 これらの発がん性の疑われるものの他にも、私たちが毎日食べるものには、さまざまな種類の添加物が使われています。それらの毒性は低いとされていますが、いろんな合成添加物を一緒に摂ったときの影響が調べられているわけでもないですし、あらゆるものに使われているので、その摂取量はとても多くなっているはずです。
 それだけの本来必要ではない添加物が体に吸収されて、それを肝臓は解毒しなければならないので、体にとっては大きな負担になっています。一説には、大量の合成添加物を摂取すると、遺伝子を傷つける活性酸素が体内で多く発生し、それががんや免疫力の低下、老化につながると言われています。


 体に取り入れられると良くないのは、食品添加物だけではありません。野菜の残留農薬や食肉のホルモン剤、サラダ油・トランス脂肪酸などの体に悪い油、遺伝子組み換え食品なども、化学物質の摂取と同じように問題があると思います。
 また食べ物以外でも人体に有害と思われるものを、日常的に私たちは使っています。
 強い毒性の疑われる合成界面活性剤が主成分のシャンプーやボディソープ・歯みがき粉・合成洗剤、そして安全でない成分が多く使われる化粧品やヘアカラー。
 こういったものはふだん何気なく使われていますが、化学物質は皮膚を通して体に入るので(経皮毒といわれる)、かなり怖いです。
 「経皮毒はウソ」という説もありますが、そんなことはないと思います。ウチの近所の人でペットのハムスターを台所洗剤で洗ったら、あっという間に死んでしまったということもありました。
 ですからシャンプーや洗剤は、高いものでなくてもいいので、安全な原料で作られているものを買ったほうがいいでしょう。
 殺虫剤や抗菌グッズ、塩ビのラップ、薬の飲みすぎなども体に悪い影響を与えます。
 その他に水道水の塩素・トリハロメタンや大気汚染、電磁波(WHOが携帯電話の使いすぎと発がんの関係を認めた)、放射能(CTや胃のバリウム検査は特に危険)と発がん性のあるもの、免疫力を低下させるものに私たちは取り囲まれています。
 一つ一つの毒性はそれほどではないかもしれないけど、これらが体に長年蓄積され、ダメージを与え続けてガンなどにつながることは十分あり得るのではないでしょうか。
 これらに関してはいろいろと気をつけるべきことがありますが、本やネットで情報を集めて、少しずつでも危険なものを減らしていくようにするのが大切だと思います。


 私がドラッグストアで買い物するときは、絆創膏とか台所のスポンジとか生活に最低限必要なものしか買いません。
 ドラッグストアで売っているのは化学物質が使われているものが多いですが、そういったものを買わない私は、それらの商品の前を素通りするたびに、だいぶ節約しているような気分になります。
 それにしても、これだけの商品の山を見ると、みんなが買っているという事でしょうが、これらを毎日いろいろと使って、体や環境は大丈夫なのかな、と大きなお世話ですが心配してしまいます。
 化学物質や添加物をあまり気にしすぎてストレスになっても良くない(これも病気の原因になります)でしょうが、気にしすぎないのも体のためにどうかというかんじがします。
 たぶん多くの人は、こういったことにあまり関心を持っていません。でも、現代社会でがんやアレルギー、さまざまな難病などの病気が増えていることは、この日常生活で意識せずに使われる化学物質や食品添加物と無関係ではないと思います。

 (次回に続きます)




プロフィール

Author:まやと
努力なしで最大限の成果を得られる健康法を日々探求しています。趣味 野菜料理を作る 音楽を聴く
ツイッター@mudoryoku

最新記事
TWITEER
まやとツイッター@mudoryoku
フリーエリア
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:


Page Top
Powered by FC2 Blog | | Template Design by スタンダード・デザインラボ