私は昔から細かいことをいろいろ気にする神経質なタイプでした。
 そのためだと思いますが、若いとき自分が病気かもしれない、ということが異常に気になる心気症になったことがあります。
 誰でも体調が悪かったり、どこか痛かったりすれば気になるとは思います。でも、ちょっとした事ならほうっておき、そのままにしていれば良くなる場合が多いでしょう。少したってそれらが良くならないときは、病院で診てもらい、何かの病気なら治療します。
 そして、診察してもらい、なんでもないと言われると、じゃあ良かった、と安心すると思います。
 心気症は、病院で全く異常はないと言われても、それが信じられずに本当は何か重大な病気なのではないか、と気にしてしまう症状です。医者が病気を見落としているかもしれない、といくつもの病院に行ったりすることもあります。
 いつもさまざまな体の変化・症状を深刻に考えて、ほとんどが何でもないことなのですが、当人にとっては目の前が真っ暗になるような苦しみになってしまいます。 

 
 
 私も子どもの頃に、ちょっと心臓が痛かったり動悸がすると、心臓病ではないかと思ったり、中学生の頃、変なタンが出たりすると結核ではないかと病院に行ったりしました。
 それらは病院に行って、何でもないと分かり気にしなくないましたが、17才くらいのときに病気ではないか、というこの考えがひどくなり、とてもつらい時期がありました。
 立ちくらみがするのがおかしいとか、睾丸に小さな触ると痛いものがでている(これは誰にもあるということ)、トイレで大きい方をすると血がついている(肛門が切れただけ)、皮膚を軽くひっかくと赤くなるから白血病だとか、他にもいろいろあったのですが、次から次へと気にしていました。
 ちょっとしたことでも何か死ぬような病気では、とあれこれ想像をめぐらせ、家庭の医学みたいな本をずっと眺めていました。(今考えると他にやることがあるだろうと思ってしまいますが、本人にとっては深刻な問題だったのです)
 病院もいろいろ行きましたが、すべて何でもないと言われます。それでも自分では、何かおかしいことがあるに違いない、という考えにとりつかれていました。

 
 あるとき、そういう心気症の人をよく診てくれる先生がいるということを聞いて、診察してもらうことにしました。
 その先生の診療所に行くと、大勢の人が待合室にいました。小児科もやっている所なのか、小さい子もたくさんいてにぎやかでした。
 呼ばれて診察室に入ると、中年の穏やかな感じの女の先生です。
 私が、何か病気かもしれないので心配ですと言うと、じゃあ血液検査をするといろいろ判るからまず採血してみましょう、とその日は血を採っただけで終わりでした。
 数日後、不安な気持ちで再び行くと、その日はなぜか待合室にいる人が少なめでした。
 検査の結果を聞くと、やはり何でもないということです。
 それで安心できればいいのですが、不安に取りつかれている私は「立つとフラフラする」「皮膚をかくと異常に赤くなる」などと、いつも気にしていることを長々訴えました。
 すると先生は、フラフラするのは立ちくらみ、赤くなるのは神経質な人がなりやすい、とやさしく言ってくれました。(こういう親身なところから、心気症をよく診てくれる先生と評判になったのでしょう)
 そして、私の爪がピンク色なのを見て、「それだけ血行が良ければ大丈夫。健康のすぐれない人は白いですよ。少し体を動かすように水泳でもしてみたら」、とも言ってくれました。

 本当に良い先生で、そのアドバイスで心気症が良くなればいいのですが・・・
 しかし、私はそう言われても全く信じないほど疑り深くなっています。ですから、先生の話すのを聞きながら、「そんなはずはない。またここに来るか、違う病院を探そう」と考えているのだから困りものです。
 ところが、その根深い心気症がこの診察の数分後に起きたことで無くなっていきます。



 診察室を出て、待合室に戻ると患者は誰もいなくなっています。いるのは受付の若くてきれいな女の人と、その隣で何かしている若い看護婦さんでした。
 今はBGMを流す診療所が多いですが、そのときは無音だったと思います。本当にシーンとした静けさの中待合室に座っていると、さっき自分が話したことがそのままこの人たちに聞こえていたのでは、と思えてきました。
 病院の職員ですから患者の言動に対して馬鹿にするとかはないでしょうが、何かとても気まずく感じられました。ちょっと空気が重苦しかったので、私が言っていたことを若い女の人に聞かれて「この人は何を言っているのだろう」と思われたかもしれません。
 会計までの5分くらい物音一つしない静かさでした。
 そのなんとも言えない時間を過ごし、会計を済まして診療所を出ると、なぜか体を心配する気持ちが薄くなっている自分がいました。
 その後は今に至るまで自分が病気だろうか、と異常に気にすることはなくなりました。本当にそのときの出来事で、あっという間になくなってしまったように思えます。(まあ心気症は治ったのですが、神経質な気質はそのままで、それが後にパニック症につながりましたが)
 受付の女の人たちが私の話を聞いたかはわかりません。しかし、そのときの沈黙の中で、何か情けない自分を見せつけられたようで、どうにも恥ずかしくいたたまれなかったのでしょう。
 そういったありのままの自分の姿を知ったことから、体を心配しすぎる気持ちは霧が晴れるように消えたように思えます。


 この話は前回の記事で書いた、無言・イタズラ等の迷惑電話対策の話に通じるものがあると思っています。
 そこで言ったのは、迷惑電話がかかってきたら受話器を切らずに置いてしまい、相手に無音の状態を体験させて、自分のやっていることに向き合わさせる、ということです。私としては、今回書いた経験が迷惑電話対策にも使えると思い、前回そのことについて書きました。
 相手が無音・無反応な状態だと、目の前に鏡を置かれたように自分の姿をはっきり思い知らされます。
 そうやって、自分の変な姿やこだわりを客観視すると、それがとても嫌なものに見えて手放したくなり、考え方が変わるということが起きるのだと思います。



 心気症で悩んでいる人はけっこういて、この記事を読んでくれた中にもそういった方がいるかもしれません。
 今回私が書いたみたいに、憑き物が落ちるように治ることはなかなかないでしょうが、ありのままの自分の姿を見ることで、病気かもしれない、という考えに少しでもとらわれなくなるのは可能に思えます。
 ですから、心気症の方はよかったら次のことを試してみてください。
 いつも頭の中を駆け回っている、病気だろうか、病気になったら怖い、という考えを否定も肯定もすることなく黙って見つめます。
 こうやって心の中で何も言わずに、少し離れて自分を見るようにしていると、自分の頑なな考え・感情が変わっていくのを感じることができると思います。
 黙って自分を見るということには不思議な力があるので、これはとてもお勧めです。 




 つい先日、還付金詐欺の電話がかかってきました。
 なんでも、5年分のの累積健康保険とやらの返還が2万円ほどあり、はがきでお知らせしているはずだが、その請求期限が切れた、ということを言ってきました。
 嘘くさいのですが、ていねいな口調でそれっぽいことを話すので、もし本当に市役所の人だったらあまり変な口をきけない、と思わせるものでした。
 まあ、かなり怪しい話なので、相手の名前を聞いてから(横山と名乗った)、「分からないので、親が帰ってきたら確認してまたかける」と言って切りました。切ったその場で市役所に電話してみると、そういう名前の職員はいないということなので、こんな電話があったことを伝えておきました。
 その日は、私の住むあたりによくかけていたみたいで、詐欺の電話が多数かかってきている、と警察からの町内放送がその後ありました。
 「今、手続きすればお金が返ってくる」と言われると、これだけ注意喚起されていても、だまされる人はまだかなりいるようで、ここ最近でも年間2000件以上起きていて、被害額も20億円以上はあるみたいです。


 まあ、かってきた電話を取って何かガヤガヤ話しているのが後ろで聞こえるときは、まずセールスや怪しい電話ですよね。
 そこで売ろうとしたり、勧めたりするものはほぼいらないものでしょう。
 モノを売るのにそんな人手や電話代を使っているのは、その金が商品代に乗っかっていて割高になっているか商品の質が良くないということですし、もうけ話なんてそれが本当なら自分がやればいいだけで人に教えるわけありません。
 そういった電話はかかわっても時間のムダですから、私はどう早く切ろうかと考えます。
 ネットを見るとセールスの電話の断り方がいろいろ書かれていますが、たぶんこういった電話を断るのが苦手という人もいるのだと思います。そこで今回は、私がいつもやっている方法を紹介しますので、良かったら参考にしてみてください。




 私の住むような田舎では都会よりセールスの電話が多くないかもしれないですが、ちょくちょくはかかってきます。
 前はある程度相手に話させたところで「いらないです」と言って、相手が「そうですか」と一応返した時に切っていました。
 しかし、最近はどうでも良いことを長々聞いているのも面倒になって、セールスと分かったらすぐ「すいませんね。興味がないのでいりません」と言い、そのまま切ってしまします。(断るときに「結構です」や「いいです」と言うと相手が勝手に良い=買います、という意味に取る場合があるので、こう言わないほうが無難)
 ここでポイントだと私が思うのは「すみません」「悪いですが」とお詫びの言葉を先につけてから「要りません」と言って、相手にかまわず切ってしまうことです。
 本当は必要ないものを勧められるのだから強く「いらない」と言えればいいのですが、断われない人はそうも出来ないでしょう。その点、ていねいに断るなら言いやすいと思います。
 そして、そう言った後に相手の反応を待てば、またいろいろ言われる可能性がありますが、そのまま切ってしまえばそれで終わりです。
 だいたい向こうから勝手にかけて来た電話なのだからこっちも勝手に切っていいはずです。

 こうやって丁寧に断ってから一方的に切ってしまうというギャップを見せれば、かけて来た相手にこちらがちゃんと断れる人で、再びかけなおしたら次は怒ってキレられるのでは、と思わせることができます。キレられる可能性があるところにかけるのは誰でもイヤなので、他をあたった方がいいという事になるはずです。
 また強く「いらねー」と言わずに、一応「すみません」と下手にでているので、相手の気分も害さず逆恨みもされにくいでしょう。ハッキリものを言うアメリカ人でも物売りとかには、「ノーサンキュー」とやわらげた断り方をしますが、あれと同じことです。
 こんな感じでなんでも速攻で断っていると、とても良いことにセールスの電話もだんだん減ってきます。セールスでかけてくる方でも断れない人のリストでもあって、そこに電話するようにしているのかもしれません。
 ですから断るのが苦手な人は、とにかく「すみません。いらないです」と言ってどんなセールス電話も切ってしまいましょう。こう言っとけば、しつこくかけてくるような事はなくなります。
 私も昔は断われずに変なものを買わされたこともありますが、断っているうちに自信がついてきて断れるようになりました。
 


 私の父親はこういう電話がかかってくると、受話器を切らずに置いたままにして、相手に勝手にしゃべらせるということをやっていましたが、このやり方は相手に恨まれそうでなにか私は嫌です。
 でも、これは無言電話やイタズラ電話には使えるように思えます。
 そういった迷惑電話がかかってきたら、静かに電話を置いてそのままにします。
 相手には、黙って聞いている、と思わせるようこちらの物音は立てないようにします。別の場所に行ったり、本を読んだりしていればいいでしょう。
 無言電話やイタズラ電話をかける目的は、相手の困ったり、怒ったりする反応を聞きたいということなのでしょうが、電話の向こうが全くの無反応だと手ごたえがありません。
 というか、困らせようとする人がウンともスンとも言わずにいると、かけている方としては鏡を自分の前に置かれたようなもので、否応なく自分のやっていることを見知らされる感覚になると思います。
 迷惑な電話をかける人間は、ありのままの自分から逃げたくておかしな事をしているところがあります。だから、自分の素の姿を見なければならない事ほどこたえるものはないはずです。
 「やめてくれ」と言われたり、怒られたりすれば、それに反応出来て自分を忘れられるのですが、拒絶も困惑もないただ自分に向き合うだけの時間を与えられれば、逆に自分が恐怖を覚えるでしょう。
 そして、その間こちらは本でも読んでいればいいのですから気が楽です。
 これは何度も経験したいことではないので、そういう電話をかけてくることはなくなると思います。
 そういった電話がかかってきて困っている人がいたら一度お試しください。



 断り方をマニュアル的に書きましたが、迷惑電話もいろいろあるので、本当は臨機応変な対応が必要かもしれません。今回書いたことも効果的だと思いますが、これでうまくいかない時もあるはずです。
 あまりに悪質なセールス電話だったら消費者センター等に相談したほうがいいですし、迷惑電話がかかって来ないようにする電話機能やサービスがあるので、そういったものも使うことが必要な場合もあると思います。






 (前回からの続き)

 前回は「こまめに体を動かす」ということ、前々回は「30分に一度立つ」ことについて書きましたが、今回はそれらについて思うことをいろいろ書いてみようと思います。


 とにかく、「座りすぎは健康に良くない」ということらしいのですが、私がそれを聞いて思いつくのは、岡本太郎の「座ることを拒否する椅子」です。
 「太陽の塔」を作った芸術家岡本太郎を若い人は知らないかもしれませんが、中年以上の人なら誰でも知っているはずです。この「座ることを拒否する椅子」を覚えているという人もけっこういるでしょう。
 これは高さが50cmくらいのカラフルな椅子です。座るところが少し盛り上がるように丸みを帯びていて、そこにギザギザした突起があったり、顔の形をした変わった造形がほどこされていたりします。そして、そういった形に加えて、陶製なので固くてとても座りにくそうなんです。
 本来、椅子は人が座るためのものですが、その椅子が主体的に意志を持って座られることを拒む、というのはとても面白い発想だったと思います。
 岡本太郎さんがこの椅子の制作動機を語った文を私は以前読んだことがあり、そこでは確かこんなことが言われていました。
 「私はフカフカのソファみたいなものが好きになれない。だから何か森にある切り株のような固い座り心地で、小休止できる椅子を作りたかった。少しだけ座って再び活動するためのエネルギーを蓄えるのだ」
 彼はとてもせわしなく、飛行機やコンサートなどでもじっと座ってられない人だったということです。
 晩年は病気のためあまり動けなかったみたいですが、それまでは「芸術は爆発だ」の言葉通り、爆発的なエネルギーで絵画・彫刻・著述と盛んな創作活動を行いました。その活躍は、この決して座り込むことをしない肉体から生まれたように思えます。
 

 また、画家は長生きということがよく言われます。 
 この前、横尾忠則さんを特集したテレビ番組を見ました。
 今80才という横尾さんはとてもそんな歳には見えず驚いてしまいました。番組の中で「猫が好き」と彼は言っていたけど、猫のようなしなやかさを感じさせる若々しい姿でした。
 絵を描くのは手を使ったり、想像力を働かせたりするので脳に良いと言われます。
 そして、立って描いたり座って描いたり、絵の具を混ぜたり、離れたところから画面を眺めたりと、体をこまめに動かす必要があります。この活動量の多さが、画家の長寿と関係しているのかもしれません。
 そして、絵は自分の好きなように描くものだからストレスが発散されて、心身に良い影響を与えるということもあるのでしょう。特に横尾さんは、他人の評価にとらわれず、自分のやりたい事をいつでも行ってきた人なので、心身ともに若くいられるのだと思います。




 立ち上がること、こまめに動くことの健康効果は、姿勢を変えるところから来ているそうです。
 前回の記事で紹介した本「NASA式 最強の健康法」(ポプラ新書)によると、立っているだけでも脚の筋肉の助けを受けずに頭に血を送らなければならないので、循環器機能に良いということです。
 しかし、健康にとってより効果的なのは、ひんぱんに立ち上がることみたいです。
 立ち上がるたびに全身の筋肉や神経を刺激して、心拍が増し、血流・血圧の調整に良い働きをします。立ったり座ったり、こまめに動いたり、ということでこの効果は得られます。

 こう考えると座り心地のよい椅子や、インターネット、リモコンといった便利で快適、体を動かさないですむようにさせるものは、健康にとって良くない面があるように思います。
 立ち上がっていちいち何かしたり、自分で買い物に行ったりしなければならないような手間が、おそらく体のためにはある程度必要なのでしょう。
 そして、ちょっと不便でめんどうなことを行うようにすると、運動やダイエット、アンチエイジングの効果が得られるのではないでしょうか。運動やダイエットといったことはふだん私たちが良い方法を探しているものですが、そのベストな方法は本当は身近にあったと言えるのかもしれません。
 
 不精な私としては、こまめに動くことが出来るかちょっと分からないですが、「30分に一度立つ」というのならやれそうなので、これだけでも続けようと思っています。
 効果を高めるための方法として、目をつぶってゆっくり立って座るのが良いそうなのでそうしています。これは一回に10秒かからず行えるものです。
 ここ一ヶ月ほど座る時間が長いときにやっていますが、なんとなく体が活性化しているような実感があります。
 


 現在、日本人の平均寿命は女性86才、男性80才と女性が6才ほど長生きになっています。
 女性が長生きの理由としては、ホルモンの関係、基礎代謝が低い、社会性がある、といったことが考えられるそうです。
 そして、それらに加えて、女性のほうが家事などで体をこまめに動かすから、という事もあるのかもしれません。
 炊事・洗濯・掃除と一日中動かなければならない家事は、今は少し違うかもしれませんが、昔から女性が行うことでした。一方、外で仕事をする男性は家では動くことが少ないと思います。
 男女どちらの活動量が多いか分かりませんが、こまめに動くのはやはり女性ではないでしょうか。
 そして、前回の記事で書いたように一日中ひんぱんに動いて、支える筋肉を使うことが健康に良いので、これが男女の寿命差の一因になっているのかもしれません。
 支える筋肉は運動では鍛えられず、小さい強度の動きを継続するときに使われるものなので、家事をするとこれがよく動いて鍛えられるはずです。
 家事の中でも掃除は、しゃがんだり、かがんだり、と体をいろいろ動かすことが必要です。したがって掃除をよくするようにすれば、活動的な肉体の土台になる支える筋肉を特に使うと思います。
 また女性はお化粧等で外見を飾りますが、そういったおしゃれのために行うこまごました動きもカロリーの消費につながり、男の人より余分に体を動かしていることになります。
 こういった小さな動きも積み重なるとかなりの量になり、糖・脂肪の代謝に影響を与えるそうです。




 海外では座りすぎが良くないということが広く知られている国もあって、学校で立って勉強したり、会社でのデスクワークを立って行ったりしているところもあるみたいです。
 この座りすぎの弊害は(1時間座ると22分寿命が縮むなんて説もある)、日本ではまだあまり言われてません。ふだんから長時間座っているという人は、このことに気をつけたほうがいいと思います。(そういう人は30分に一度立ちあがりましょう!)
 飛行機とか電車、高速バスなどでの移動は長時間座りっきりになることが多いです。そんな場合トイレに行くなど、なるべくひんぱんに立つようにした方がいいかもしれません。
 また、映画やコンサートでも長く座りがちです。これも途中で隙を見つけて立ちたいものですが、それが無理なら座ったまま上体を傾けるように動かして耳石を動かしたほうがいいかもしれません。



 2ヶ月ほど前に話題の映画「君の名は」を見に行きました。
 割引きの日だったのでかなり混むだろうと思い、空いていそうな午前中に行ったのですが、さすが大ヒット作だけあって座席は7割がた埋まっていました。
 見始めて20分ほどすると、尿意をもよおしてトイレに行きたくなりました。始まる前に済ましてきたのですが、私は午前中だとよくトイレに行きたくなるんです。
 座ったのは後ろの右側で、入り口から一番遠いところでした。
 途中トイレに行くのは空いてるときなら気になりません。しかし、たくさんの人がいる中(それもほとんどが若い人)、出ていくのはとても恥ずかしかったけど、あと一時間以上我慢できるはずはないので、できるだけ身をかがめ小走りにトイレに行きました。
 帰って来て、そしらぬ顔で続きを見ましたが、もう一度行きたくなったらどうしよう(たまにそういうことがあります)と、ちょっと不安でした。でも、なんとか無事最後まで見ることができました。
 映画の印象も薄れてしまうような体験でしたが、途中で立ったのは、座りすぎの弊害を避けるという観点からは良かったのかな?(^_^;)











 (前回からの続き)


 前回は、去年の11月にNHK「ためしてガッテン」で放送された、NASAが勧める最新アンチエイジング法「30分に一度立つ」について書きました。
 この方法がとても興味深かったのでちょっとネットで調べてみると、「ガッテン」でやったことの元ネタと思われる「NASA式 最強の健康法」(ジョーン・ヴァーニカス著 堀川志野舞訳 ポプラ新書)という本があるのを知りました。
 近くの図書館にこの本があったのでさっそく読んでみると、内容は、NASAの研究者である著者が宇宙飛行士の健康を調べる中で知った、座りすぎの生活が体に与える悪影響や、日常的に体を動かすことの重要性などについて詳しく説明したものでした。
 しかし、なぜか「ガッテン」で取り上げられた、「耳石」と「30分に一度立つこと」については記述がありませんでした。
 「ガッテン」では、「耳石というのは、体の動きによって重力に引っぱられ、その信号が脳に送られて体の傾きを知ることが出来るもの。そして、耳石は全身の筋肉や自律神経とつながっているので、耳石が活発に動くと筋肉や心臓の活動が活性化して、糖や脂肪の代謝も良くなる」ということでした。
 一方、「NASA式」の本では耳石という言葉は一度も現れず、次のようなことが書かれています。
「人間の身体や脳が健康を維持するためには、重力を活用することが必要」
「無重力での暮らしとは身体を動かせない状態と同じ。体を動かさない生活をしていると、人間の動作を司る脳や脊髄のプログラム、脚の筋肉、骨といったものがもはや必要なくなり、衰える。動かないほど脳を委縮させるものはない。」
ということが述べられ、座りすぎの生活は無重力空間と同じように体や脳を衰えさせる、と警告しています。
 「30分に一度立つ」ということも出ていませんでしたが、ひんぱんに立つと筋肉が収縮し、血流・血液量・ホルモンに変化が起きる、といった良い効果があるということが書かれていました。

 そして、この本では、立つ以外にもよく体を動かすことが勧められています。
 体を動かすというと、私たちは有酸素運動や筋トレなど、体に負担をかける運動のことだと思うかもしれません。
 しかし、著者によると、健康にとって大切なのは、そういった続けるのに努力が必要な運動ではないそうです。行うべきなのは、一日を通して絶え間なく体を動かすことで、「健康を手に入れるために最善の方法は、週に数回スポーツジムに通うことではなく、毎日強度の低い刺激をひんぱんに与えるほうが効果的」と言っています。

 このジムエクササイズや有酸素運動よりも、日常生活で行う動きのほうが健康のために重要というのは、私たちの健康と運動に対する考え方にはあまりなかった視点ではないでしょうか。
 今まで健康のためには「運動が大切」とずっと言われてきましたが、なかなか運動できないという人は多かったはずです。
 しかし、この考え方によれば特別に運動しなくても、家事などさまざまなことで日常、体を動かすようにしていれば健康的ということになります。逆に毎日運動していても、残りの時間で動かなければあまり良くないということでしょう。
 数時間の運動より、日常生活での立ち上がったり、物を取ったり、身をかがめたり、といったこまごました動きのほうが消費するカロリーが大きいそうです。この日常的な動きが少なくなると、肥満や糖尿病などの原因になります。
 そして、一般的な運動と日常生活での動きは、使う筋肉が違っているそうです。
 骨格筋はその構造と働きによって大きくふたつに分けられます。一つは正しい姿勢を保つために使われる、支えるタイプの筋肉で、もう一つは身体を動かすのに使われる、動かすタイプの筋肉です。
 支えるタイプの筋肉は、ジムエクササイズでは鍛えられません。これは最大随意収縮(最大の力を発揮した筋力)の30%未満の小さな力を継続するときに使われるもので、家事や姿勢を変えるなどのあまり力を必要としない動きで使われる筋肉になります。この支えるタイプの筋肉が健康に大きく関係するそうです。
 宇宙飛行士は宇宙で毎日数時間は運動していますが、彼らの体はかなりの速さで衰えます。これは無重力だと支える筋肉が使われないためです。(「ガッテン」では衰える原因を耳石が動かないためと説明しています)
 このことから、重力を感じてバランスをとりながら立ち上がったり、家事等のこまごましたことをしたりといった動きを一日中行うのが大切、ということが分かります。
 この筋肉は、継続して長時間働くと最大の効果を発揮するという性質があり、渡り鳥や水中を泳ぐ魚、長距離を走る哺乳動物が使う筋力はこちらのタイプだそうです。
 支える筋肉は体を動かさないでいるとたちまち弱まってしまいます。そして、そのことがカロリーの消費を少なくして糖・脂肪の代謝が悪くなることにつながり、肥満・糖尿病・循環器疾患の原因になるということです。



 前回の記事で紹介した「30分に一度立つだけ」も支える筋肉を刺激する簡単で効果的な方法ですが、「NASA式」の本では、それ以外にできるこの筋肉を鍛えるための方法がいろいろ書かれています。
 効果的なものとして挙げられているのは、ストレッチや料理をする、ヨガ・太極拳を行う、歩く、階段を使う、などです。面白いものとして、立ったまま靴下やズボンを脱ぎ着する、なんていうこともありました。
 階段は上るのがキツい場合はエレベーターやエスカレーターを使い、バランスをとることを要求される下りから始めると良いということです。
 また重力の変化を受けることが体に良い効果をもたらすということで、ジェットコースターやトランポリン、乗馬(マシーン)、オートバイに乗ることなども勧められています。
 
 本には出ていませんでしたが、掃除をすることや、部屋を整理する・飾る、園芸や家庭菜園、DIYを行うといったことも体をよく動かすものだと思います。
 こういった強度の低い動作を継続させて支える筋肉を良好な状態に保つことが、健康的な生活や、年をとってもなるべく介護を受けないでいられる事につながっていくそうです。
 こうやってこまめに動ける体を基礎として、その上でスポーツや有酸素運動、ジムエクササイズを行うようにするのが理想的だと、著者は述べています。

 行うことをいろいろ書きましたが、こういったことをやるのが面倒だったら、ただ「30分に一度立つ」ようにするという最終手段があります。
 たぶん「30分に一度立つ」だけで体に変化が出てくるはずなので、そこから徐々に行えることを増やせば良いのではないでしょうか。



 前回の「30分に一度立つ」と今回の「強度の低い動きを一日通じて行うことが大切」というふたつは、どちらも私にとって興味深いものでした。
 とにかく、長い時間座りっぱなしでいては駄目ということなので、これからは気をつけるようにしたいです。
 ちょっとでも動くことが、アンチエイジング・病気予防・ダイエット法になるのだから、少しはやる気になります。これは、少ない投資で大きな効果の得られると言ってよい方法でしょう。
 この文を読んでいただくのにも長い時間座らせてしまい恐縮なのですが、前回・今回と書いたことが少しでも健康的な生活への参考になればと思っています。また、「NASA式 最強の健康法」には小さな振動を体に与えることが骨密度を増やす、など他にもおもしろいことが書かれているので、よろしかったら一読してみてください。

 (次回に続く)







 新年あけましておめでとうございます。
 今年が皆様にとって良い1年でありますようお祈り申し上げます。
 私的には去年の年末ついてないことが続いたので、新年になってリセットされればいいな、と思っているところです。
 今年もよろしくお願いします。
 


 
 今回の題名の「立ち上がります」というのは、今年から無努力なんて消極的な態度を改めるということではなく、「ただ立ち上がる」だけの健康法を紹介するという意味です。
 この健康法は、去年の11月にNHKの「ためしてガッテン」で取りあげられたものです。これはかなり話題になっていたので知っている人も多いかもしれません。
 NASAの研究者が発見した最新のアンチエイジング法というものなのですが、努力なしに出来る、興味深くてとても効果的な方法です。
  

 現代はさまざまなことが便利になって、あまり体を動かさないでも生活できるようになってきています。パソコンやスマホを使ったり、テレビを見たりと、1日の多くの時間を座って過ごす人は多いのではないでしょうか。私もどちらかというと座りがちな方です。
 パソコンやスマホを使っていると、脳を刺激するので何かやっているような気になりますが、体的に見ればただ座って指先を動かす以外はほとんど動いていません。
 そして、どうもこの座りっぱなしということが猛烈に体に悪いようです。「ガッテン」では、1時間座り続けると寿命が22分縮む、なんていうことを言っていました。
 座りっぱなしで体を動かさないことが、体に良くないのはなんとなく想像できますが、それが何故かはこれまで分かっていませんでした。そして、その理由が、NASAによる宇宙飛行士の健康についての研究から解き明かされたそうです。

 宇宙飛行士は過酷な環境に耐えられる丈夫な肉体を持った人達ですが、宇宙空間で生活して地球に帰って来ると、その健康な彼らが立ってられないほどの衰弱ぶりを見せます。
 この衰弱は、筋肉や骨密度が減少するなど老化によく似た現象です。宇宙で生活するとこのように衰えてしまうのは、内耳の中にある耳石というものが無重力空間だと全く動かないからだそうです。
 耳石は人間のバランス感覚にとって重要な働きをするものです。地球上では体が傾くと、耳石が重力に引っぱられてその信号が脳に送られ、体の傾きを知ることができます。
 この耳石は全身の筋肉や自律神経とつながっていて、体の老化のスピードを左右する原因の一つになっているということです。耳石が動かないと人の体はかなりの速さで衰えるため、宇宙飛行士は体を悪くしてしまいます。(地球へ帰還後、普通の生活を送っていくことで健康は回復される)
 そして、この無重力空間と同じように、耳石がほとんど動かない状態というのが座っているときだそうです。このため座りすぎは体に悪影響を与え、老化を進める原因になります。
 「ガッテン」の行った実験では、若者が2時間座り続けただけでも体のバランス機能が大幅に低下してしまうということでした。 
 NASAの研究者は「座り病」という言葉まで作っていて、座ってばかりの生活が、がんのリスク上昇や代謝異常、認知機能・循環器機能・免疫力などの低下、といったことを起きやすくすると警告しています。
 


 この座りっぱなしで体が衰えるという弊害を避けるためには、運動したり、いつも立っている、といったツラいことをする必要はないそうです。「ガッテン」で紹介されたのは、ただ「30分に一度立つ」ということでした。
 人は体を前後に動かしてバランスを取りながら立つため、それだけで耳石が十分動かされます。
 この立ち上がって耳石を動かすということに健康効果があり、立つたびに筋肉が使われて骨や全身の神経が刺激されたり、血流・血液量・ホルモンに良い変化が起こったりするそうです。また、コレステロールや糖の代謝も良くなるということです。
 「ガッテン」では、マージャン愛好家など長時間座りがちな人たちに「30分に一度立つ」ことを2週間続けてもらう、という実験を行ってみました。すると、平均で中性脂肪値が15%マイナス、悪玉コレステロール値が5%マイナス、善玉コレステロール値が11%上昇するという結果がでました。


 なぜ立つのが30分に一回かというと、NASAの研究によって健康のためには1日約32回立てば良いということが分かり、その回数を人がだいたい起きている時間の16時間で割って、1時間に2回立てばいい、になったみたいです。
 それ以上多く立つぶんには構わないけど、32回より少ないのは良くないということです。
 これは本当に30分に一度5秒ほどかけて立って座るだけです。
 学生やデスクワーカー、読書・テレビ・ゲーム・パソコン・スマホ・おしゃべりなどで長時間座っていることが多い人は、これを意識してみてください。(よりバランス感覚を使うために目をつぶってやるのもお勧めです。また立ち上がることが出来ない人の場合は、頭を動かすようにするといいそうです)
 この簡単なことをやれば効果的なアンチエイジングになる、とあのNASAが言っているのですから、やらない手はないと思います。




 座りすぎの悪影響を私も知らずに受けていました。しかし、それも「30分に一度立つ」ことで解消されました。
 私は一度座ると長くなってしまう方なのですが、冬になると座りっぱなしな上に、寒さで体も縮こまりがちになっています。
 そのせいなのか、ここ数年、冬になると体の動きがぎこちなくなって、いろいろ行うのにまごつく事がたびたびありました。そんな感じになっても気にせずに少し動いていれば、そのうち普通に動けるようにはなります。
 とはいえ、このぎこちなさが長く続く時もあって、心配になることもありました。
 若年性の認知症とか何かの病気かなとも考えましたが、冬以外にこれは起きないので、病気とは違うだろうと思っていました。
 しかし、これも今考えてみると、そういう風に動きづらくなるのは長く座った後だったように思います。

 「ガッテン」でこの耳石の話を知ってから意識して立つことを行ってみると、始めて1ヶ月ほどですが、そのぎこちなさはほとんどなくなりました。
 多くの宇宙飛行士も、地球に帰ってくると動作がぎくしゃくするのを感じるようですから、冬に体が動きづらくなるのは、耳石を動かさないことからくる「座り病」だったのかもしれません。
 今まで、学生時代の机に座ってする勉強のなごりからか、我慢強く座っていることが良いことで、なにか頑張っているように無意識に思っているところがありました。でもこれは錯覚で、ただ怠けているだけですよね。
 人の体は座り続けていてはダメになるように作られているので、体を動かさないでいると、さまざまな悪影響が出るのでしょう。
 これからは30分に1回とはいわず、何かと理由をつけて立つようにしようと思います。
 今、病院では手術した後も患者を絶対安静にさせないで、なるべく早く歩かせるようにするらしいですが、これも動かないと体に良くないという理由からなのでしょう。

 でも、先ほど書いたように座るのがいけないということではなく(立ちっぱなしにも弊害がある)、こまめに立って耳石を動かすようにすれば良いだけなので、このNASAのアンチエイジング法はとても簡単に行えます。
 立つだけなんて大したことなさそうですが、続けていけばそれだけ良い効果を生みだしそうな感じのする方法です。ぜひ一度お試しください。


(このNASA式の健康法についてはもう少し書いてみたいことがあるので次回に続きます)





プロフィール

Author:まやと
努力なしで最大限の成果を得られる健康法を日々探求しています。趣味 野菜料理を作る 音楽を聴く
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