(前回からの続き)

 柑橘類もガンを防ぐ効果が高いとされます。
 日本人になじみ深い温州ミカンには、β-クリプトキサンチンという強い抗がん作用のある物質が多く含まれますが、このβ-クリプトキサンチンにはβ-カロテンの5倍の発ガン抑制効果があるそうです。β-クリプトキサンチンは柑橘類の中では温州ミカンに特に多く、オレンジの約100倍も含まれています。
 また脳卒中を防ぐ、アレルギー症状を改善する、毛細血管を強化する、などの多くの働きがあるヘスぺリジンは、ミカンの袋と筋に多く、袋には実の50倍、筋には300倍も含まれていると言われます。

 ミカンのオレンジ色や、ニンジン・カボチャ・ピーマンなどの濃い色の野菜の色素は、カロテノイドという種類のファイトケミカルによって作られます。その種類は600以上あり、強い抗酸化作用でガンを防ぎます。
 カロテノイドの中でもトマトのリコピンは、活性酸素を除去する力がとても強く、β-カロテンの3倍、ビタミンEの100倍もあるそうです。また血液をサラサラにする効果もあるので、生活習慣病予防にも役立ちます。
 リコピンはβ-カロテンと同じく脂肪分と一緒に取ると吸収率がよくなります。

 お茶に含まれるカテキンにも多くの働きがありますが、特徴的なのは食中毒の原因となる菌を殺すほどの殺菌力です。
 その殺菌力は、院内感染を引き起こすMRSAやピロリ菌に対しても有効ということです。
 そして、緑茶・紅茶の渋みの成分であるタンニンは、カテキンと同じように殺菌作用・抗酸化作用・消炎作用があり、その他にもコレステロール値の改善、動脈硬化を防ぐ、など多くの働きがあります。

 白菜は色の濃い野菜に比べて栄養価が低いと考えられてきましたが、白菜に含まれるグルコブラシンという物質は抗ガン効果が強く、特に乳ガン・直腸ガン・膵臓ガンの増殖を抑えるそうです。
 また、ナスやキュウリなども栄養が少ないと言われてきましたが、ナスのナスニンという物質は緑黄色野菜よりもがん抑制効果が高いという研究があります。
 キュウリも白血球の働きを高める効果が、キャベツ、ナス、大根、ホウレン草と並んで高く、その効果はガン治療に使われる免疫活性剤よりも高いそうです。

 あらゆる野菜に含まれるファイトケミカルは、種類が本当にたくさんなのでここでは書ききれませんが、ほかに健康効果が高いものとして、免疫力を強める成分を含むキノコ類、抗酸化作用の高いセサミンが多いゴマ、ポリフェノールが多い赤ワイン・バナナ・春菊・リンゴ・玄米、強い抗ガン作用のあるフコイダンを含む海藻などです。
 果物にも多くのファイトケミカルが含まれていますが、キウイ、バナナ、リンゴ、スイカ、ブドウ、メロン、マンゴーに特に多く含まれているそうです。


 ファイトケミカルの持つ力を2回にわたって、大まかに紹介してきました。
 取り上げた健康効果の高い野菜は積極的に食べてもらいたいものですが、ここで触れなかったものを含めたさまざまな旬の野菜を食べることが大切なんだろうなと思います。
 おそらくすべての野菜に、私たちが想像できないほどの健康効果があるはずです。そして、いろいろな野菜を食べることで、多くの有効成分が組み合わさってその働きが高まるので、決まった食品や成分のみを摂れば良いという事ではないそうです。


 ファイトケミカルの他にも、ビタミン・酵素がたくさん摂れる生の野菜・果物を食べるのはとても健康的なことです。
 でも、ファイトケミカルを摂る場合は、事情が少し違っていて、β-カロテンのように油で炒めた方が吸収率がアップするものや、タマネギの硫化プロピルという成分のように加熱されるほどにコレステロール値を下げる働きが高まるものがあります。
 また、繊維質の中に入っているファイトケミカルは、ミキサーにかけても繊維が壊れないので、その多くが出てきません。食物繊維は体内で消化されずに便として出てくるから、繊維の中のファイトケミカルは体に吸収されないことになります。
 しかし、野菜をゆでて加熱すると食物繊維が壊れて、ファイトケミカルがたくさん溶け出してきます。そして、ファイトケミカルは加熱しても、成分が壊れてその効力を失うことはないそうです。(冷凍しても大丈夫ということです)
 さらに、興味深い実験があって、生の野菜の搾り汁とその野菜をゆでた汁の抗酸化力を比べると、ゆで汁の方に数百倍の抗酸化力があったそうです。
 ニンジンのゆで汁には、生のニンジンの搾り汁の約100倍、ニンジンより栄養価の高いニンジンの葉のゆで汁には生のニンジンの1万倍近い抗酸化力があったそうです。
 そのため、ファイトケミカルを無駄なく摂取するのに一番良い方法は、野菜をスープにすることだそうです。いろんな野菜を皮をむかずに煮こむと、ファイトケミカルたっぷりのスープができます。

 以前、テレビでフランス料理の有名シェフがダシを取るのに、野菜の皮や芯などふつうは捨ててしまうところをゆでていたのを見たことがあります。
 そういった部分を煮出すと、風味やうまみがでておいしくなるから行っていたのでしょうが、そうすることでファイトケミカルが溶け出して、風味やうまみがでていたんだな、とファイトケミカルの性質を知ってその意味を理解することができました。

 白菜やナス、キュウリは昔の栄養学では栄養のない野菜とされてきました。
 私たちがそれらを食べ続けてきたのは「おいしい」かったからですが、ファイトケミカルや酵素といった新しい栄養の考え方からすると、それらの野菜は高い抗ガン作用を含んでいたことが分かりました。ということは、私たちの体がその健康効果を無意識に感じとって「おいしい」と感じさせていた、という事になるのでしょう。(キュウリを生でかじると体が喜んでいるのが分かります)
 たぶんファイトケミカルは、「おいしい」と私たちに感じさせることが多いのだと思います。ですから、生の野菜でも調理した野菜でも、食べて「おいしい」と感じたときは、それらが健康に良いということを意味しているのだと思います。
 一方、野菜が嫌い、食べてもおいしいと思わない人は、体が不健康な状態にあると言えるでしょう。
 しかし、野菜も旬のものや、地元で取れるもの、無農薬のもの、自分で作ったものを食べると、スーパーで買うものに比べて味に違いがあります。
 野菜が好きでないという人もそういった野菜を食べると、野菜に対するイメージが変わるのではないでしょうか。


 今回はファイトケミカルについて全く知らなかったのに、本などで調べたことを基にして、いろんな野菜の持つ効果をいろいろと書きつらねました。
 参考にした本は「短命の食事 長命の食事」(丸元淑生 著 ワニブックス) 「100歳まで病気にならないスーパー免疫力」(ジョエル・ファーマン著 日本文芸社)  「食べ物栄養事典」(中嶋洋子他著 主婦の友社) 「ガンにならない3つの食習慣 ファイトケミカルで健康になる」(高橋弘著 ソフトバンク新書)です。これらの本には、今回の記事で書ききれなかった、ファイトケミカルについての興味深い話が書かれているので、興味を持たれた方は読んでみて下さい。

 このファイトケミカルの健康効果は、少し大げさな感じがしたかもしれませんが、私たちの健康はこの植物が作りだす物質に依存して保たれている、といっても良いと思います。
 笑うと免疫力が高まるなど、体を守るシステムはいくつもあります。その中でもファイトケミカルの健康効果の積み重ねは、私たちをガンなどの病気から守ってくれる最も重要な働きになると言えるでしょう。
 スムージーやスープ、漬物など、料理するのは手間がかかりますが、面倒でもそれらを作るのは「おいしい」からだと思います。
 そして、その「おいしい」は健康につながっているというのが今回の記事で理解してもらえたでしょうか?
 ほかの食品も必要ですが、野菜を食べることは私たちの食生活の基本です。
 そして、野菜のおいしさを知ることができれば、これほど楽しくて幸せな気持ちになれる健康法は他にないでしょう。

コメント

Re: 野菜蒸し

いしむらさん

すごくたくさんの野菜が入る食べ方ですね。
野菜のいろんな味が混ざり合っておいしそうです。
一度やってみます。

野菜蒸し

わたしも基本的に菜食なのですが
野菜の美味しい食べ方紹介します
フライパンに
根っこの野菜から葉物野菜と順番に入れる
いも類カボチャ大根ニンジン
キノコ類玉ねぎアスパラ白菜
キャベツ小松菜春菊ワカメなどの順番です
お水はいりません
ガラス蓋などの蓋をして
中火で蒸気が上がるまで火を入れます
ほぼ焦げませんし少し焦げてもかまいません
火を止めて同じ時間ほど放置します
この間に芯まで蒸されます
お好みでぽん酢やソースでもどうぞ
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