(前回からの続き)
 
 玄関で靴を脱ぐことで、外の汚れを中に持ち込まない日本の家は、清潔なものだと日本人なら思っているはずです。
 外国にように、外を歩き回った靴のままで家の中に入るということは、日本人には全く理解できないことになると思います。たぶん外国人には外の地面が汚れている、という感覚があまりないのかもしれません。
 それに比べると、日本人は内と外を分けて、外を汚れたものと考えるようです。そして、トイレはトイレ用のスリッパに変えるなど、家の中でもさらに汚れを分けようとしたりします。(このトイレ用のスリッパという衛生観念も外国人からすると理解に苦しむものらしい)
 このように日本人は、風呂好きで有名でもありますし、とてもキレイ好きな国民と言えるのでしょう。

 しかし、現代ではそのキレイ好きが行き過ぎて、異常ともいえる清潔志向に陥っている面があるのではないでしょうか。内と外、キレイなものと汚いもの、と分けていくことで、家の外にあるものや、虫、すべての細菌、さらには他人までもが汚いと感じる人が増えていると思います。
 そして、その清潔志向によって、除菌スプレーや抗菌商品、皮膚常在菌をほとんど殺してしまうボディソープ、といったものを使うことが増えたため、私たちの体に住む細菌の種類は減ってきているということです。
 細菌の種類が減ると生き残るのは悪玉菌とされる菌なので、行き過ぎた清潔志向は結局、健康を害することにつながります。菌を排除し遠ざけようとすることで、かえって日本人の免疫力は低下しているそうです。
 自らを過剰に守ろうとすれば攻められるようになります。身の回りを無菌状態にしようとすれば、雑菌のあるところへ行ったとき、たちまち菌の餌食になってしまうということではないでしょうか。

 免疫力を高めるためには、腸内細菌を増やすことが必要とされます。
 腸には体の免疫細胞の70~80%が集まっていて、その働きには腸内細菌の力が大きくかかわっています。そのため、免疫力を高めるためには発酵食品や、食物繊維を含む野菜(腸内細菌のエサとなる)を食べたり、腸内細菌の状態を悪くする防腐剤などの食品添加物や抗生物質をなるべく摂取しないようにすることが大切になります。
 毎年冬になるとノロウィルスの感染が話題になりますが、ノロウィルス対策にも腸内細菌を整えることが有効だそうです。
 ノロウィルスの予防法といえば、ウィルスに触れないようにすること、しっかり手洗いをすることが勧められますが、これをしても完全にはウィルスを防げないそうです。
 というのは、ノロウィルスに感染しても発症しない人がいるからです。発症しないでいる人は普通に生活するわけですが、そうすると大量のウィルスがまき散らされることになり、周りの人が手洗いを心がけるくらいでは防ぐことが難しいそうです。(また手を洗いすぎると皮膚の常在菌が死滅してしまい、かえってウィルスが付着しやすくなることがある)
 ノロウィルスに感染しても平気だったり、重症化しない人というのは、腸内細菌がしっかりした人だそうです。だから、ノロウィルスの対策としては日ごろから腸内細菌を増やす食事を意識しなければならないということになります。
 しかし、現代人の食生活は野菜不足、添加物、加工食品、コンビニ食などと腸内細菌に良くないことばかりなので、ノロウィルスに感染すると重症化する人が以前より増えているということです。
 
 口の中の常在菌が虫歯を予防する、というある大学の研究グループによる調査結果を最近の新聞で読みました。これは体のいたるところに住む微生物の性質から考えれば当然のことでしょう。
 しかし、殺菌剤入りの歯磨き粉や口をゆすぐマウスウォッシュなどを使って、口内常在菌をわざわざ殺してしまっている人が多くいます。そうするとせっかく口内環境を整えるために存在している細菌が少なくなって、さまざまな口の中のトラブルを逆に引き起こすことになってしまうのではないでしょうか。
 そして、殺菌剤入りの歯磨き粉やマウスウォッシュの成分が口の中で吸収されることを考えても有害ですから(スーパーなどで売られている大半の歯磨き粉には、ラウリル硫酸ナトリウムなどの危険な成分が含まれています)、それらを使うことはあまり良くないと思います。


 ハイキンングをしたり、キャンプをしたり、海で遊んだり、と自然の中で過ごすことは心身に元気を与えてくれます。
 自然の中には微生物がたくさんいますが、その微生物に触れることが、心身に良い影響を与え、健康にするということも考えられます。(体に住む微生物の種類が多いと免疫力が高くなるそうです)
 自然には、動植物・さまざまな虫・微生物、それらの死骸・フン、植物が作りだす成分、キノコの胞子、ほこり、カビ、いろいろなものにつく細菌・ウィルス、などが大量に存在しています。
 自然に触れるといえば、新鮮な空気や、樹木が作りだす気分をリラックスさせる成分フィトンチット、自然が持つ「気」のようなエネルギー、などを思い浮かべるでしょうが、その一方でこのような多くのものに触れていることにもなります。
 したがって、自然は現代人が汚い、良くないと考える微生物・細菌などがあふれた世界ということになります。でも、自然の中で活動すれば多くの人は元気になると思います。
 これなどは多様な微生物に触れることで、微生物の種類が増えて私たちの体が自然に近づき、そのエネルギーをもらっている、ということにもよるのかもしれません。 

 海山などの自然に行かなくても、菜園や園芸なんかで土いじりすることや、動物と触れ合うというのも微生物を増やすことにつながるそうです。
 それ以外だと、前回の記事に書いたように銭湯・温泉に入る、スキンシップを行う、ヒトのたくさんいる所へ行く(満員現車に乗るのも細菌を交換する点から考えればいいのかも)、ヒトの使ったものを使う、なんてことも良いはずです。
 そして、良くない細菌・ウィルスが入っても負けない体を作るために、腸内細菌の働きを高める発酵食品・野菜(土つきのものには微生物がいっぱいです)を中心とした食事を摂ること、添加物の多い加工食品、スーパー・コンビニの弁当・惣菜、外食などを減らすこと、抗生物質を安易に飲まないことが必要です。


 掃除をこまめにしたり、体を清潔にしたりすることが良いのは確かですが、そのときに大切なのは洗剤やボディソープ、除菌グッズをあまり使いすぎないようにすることだと思います。
 ここまで何度も言ってきたように、除菌ばかりすると良い働きをする細菌も一緒に殺してしまいますし、細菌を殺してしまうほどの強力な成分は逆に体に有害なこともあるはずです。
 「細菌が怖い」「除菌しなきゃ」なんてことを考えすぎずに、他人の菌をもらって免疫を強めるという風に考えるくらいがちょうどいいのでしょう。(私自身少し潔癖なところがあるので、こう考えようと思っている次第です)


 最後に、ここまでの話に関連したことを一つ書いて終わりにします。
 「トイレがいや」「つり革が気持ち悪い」という人は多いですが、そういう人は外食はどう感じているのかな、と私は思ってしまいます。
 私自身飲食店で長く働いていましたが、調理される過程が完璧に衛生的ということはないと言えると思います。
 お腹をこわすほどのことはなくても、実際に作っているところを神経質な人が見れば不潔と思うようなことは、たぶんどこでもあるはずです。知らぬが仏、で少し怪しいものを食べているという場合はけっこうあるかもしれません。
 このことはまあ、あまり言うと外食できなくなってしまう人がいるでしょうからこのくらいにしておきますが、一つこのことで外食時に注意すべき点があります。
 それは飲食店であまり悪い態度をとらないことです。
 いろいろ実例を見聞きしましたが、出される食べ物に何をされるか分かりませんから、飲食店でわがままに振る舞うのは止めた方がいいです。

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