09 26
2017

 この前、ネットに犬の知能はどれくらいかを解説しているサイトがありました。
 そこには、犬の賢さについて「人間の2~3歳児くらいの知能を持ち、人の言葉や気持ちを理解する」「訓練すれば命令に忠実に従う」といったことが書いてありました。
 2~3歳児の知能というのはどのくらいか分からないですが、忠犬ハチ公から盲導犬、警察犬と犬の賢さは誰もが知るところでしょう。
 私も犬を飼っていましたが、そのサイトを読んでたら、昔ウチの犬がなんとも賢い行動をしたことを思い出しました。賢いというかこざかしいと言ったほうがいいかもしれないですが、ちょっとおもしろい話なので今回はそのことを書いていみます。



 その犬は25年ほど前に、子犬譲ります、と新聞に出てたのをもらってきたメスの雑種です。親は猟犬だったらしく、とても走るのが好きでした。
 そんなに頭のいい犬ではなく、小さいうちにいろいろ教えなかったため、「お手」はできず「待て」がかろうじて出来るくらい。性格は荒っぽいところはなく、いつでも元気いっぱいの犬でした。
 今は犬を家の中で飼うことが多いでしょうが、20年くらい前の田舎では外で飼う家がほとんどで、その犬も外に鎖でつないでいました。

 
 それはその犬(名前はヒメ)が10歳くらいの頃の出来事です。
 私が玄関から出ると、野良猫が犬のエサ箱に顔を突っ込んでドッグフードを食べているのが目に入りました。ウチではたまに人の残り物をあげることがあったので、ドッグフードをあまり食べなくなり、いつもエサ箱に入ったままになっていました。
 犬は小屋に入っているようで姿は見えません。
 壁に身を隠して様子を覗うと、ウチの犬は小屋でうずくまりながら少し顔を上げ、猫が食べているのをただ眺めていました。
 気が弱いところがあるので猫が怖かったのかもしれないですが、いくら嫌いなエサだからといってもただ見ているだけとは―――
 観察しながら私もあきれるような笑っちゃうような気持ちになりました。
 そこで、おかしさをこらえきれなくなり、「ヒメ!」と姿を見せて呼びかけた瞬間、犬は低い声で吠えながら小屋から勢いよく飛び出してきました。
 そして、猫が逃げたのを見届けると、
「アイツなんて太え奴でしょう、ご主人様。私がすぐに追い払ってやりました!」みたいな顔をしています。
 こちらが気づいているのも知らず、一瞬のうちになかなかの演技力を見せたのでした。


 この出来事を犬の立場から考えると次のようになるかと思います。
 
 ・まず犬としては、自分は飼われていてエサをもらう身、という基本的な認識があります。
 ・あのとき猫が来て目の前のドッグフードを食べても、マズいエサなのでかまわない、と本音では思っています。
 ・しかし、ドッグフードをあげているのを見られるのは飼われている立場上良くない、という建前の考えも一方では持っています。
 ・そして、私の姿を見た瞬間に後者の建前の考えからすばやく猫に怒ったふりをした。
 
 この一連の流れを見てみると、ウチの犬はけっこう複雑な考え方をしてああいう行動をとったのが分かります。


 相手の心の状態を推し測る能力を心理学で「心の理論」というそうです。
 これは3~4歳児の頃から現れるもので、人間を特徴づける心の機能とされています。
 この相手の考えていることを理解する能力が動物にあるかを、長年さまざまな実験を行い確かめているみたいなのですが、ウチの犬が見せた心の動き、建前の演技は犬に「心の理論」が具わっているのを十分示しているように思えます。
 私はウチの犬がおバカだと思ってたので、だいたいどんな犬もこれくらいの賢さを持っている、と考えていました。
 しかし、この記事を書くのに犬の賢いエピソードを調べてみると、ウチの犬が見せたような込み入った心の動きを示すものはあまりありません。
 そうなると、食いしん坊で走りまわるのが好きなだけに見えた犬は、もしかするとなかなかお利口犬だったのかも、と死んでかなり経ちますが思ってしまいました。(おバカだったのはその力を発揮させられなかった飼い主?)



 その犬は何かの猟犬の雑種ということしか知りませんでした。
 今回どんな種類だったか調べてみると、外見の特徴からイングリッシュ・セッターという犬だったみたいです。
 しかし、調べ始めに写真を見て姿形が似ている、と思ったのはボーダー・コリーという犬種でした。
 犬をもらいに行った猟をする人のところで、犬のかけあわせを楽しみでやった、と言われたそうなので、イングリッシュ・セッターとボーダー・コリーが親だったということもあったのかもしれません。
 ボーダー・コリーの特徴の一つに、危険を感じると身をかがめてほふく前進する、というのがあるのですが、ウチの犬も時おり歩きにくいところでそういった動きをしていました。
 私がボーダー・コリーの血が入っているかも、ということにこだわったのは、ボーダー・コリーがすべての犬種の中で一番賢いとされるからなんです。
 ボーダー・コリーの頭の良さを説明する文章として次のようなものがネットにありました。

 「きわめて優れた状況把握能力を持つ。今相手にしているのはどんな人間か、つまりこの人だったらこうしても大丈夫、またここだったらこうしても大丈夫、ということを細かく見極めてその相手・状況で態度を変える」(ペット・トライアングル 犬の飼い方・しつけ方)

 これを読むとあの猫を追い払ったときの要領の良さ、本音と建前の使い分けは、このボーダー・コリーの賢さの表れだったのかも、と考えてしまいました。
 まあ、ウチの犬が他のことで頭がいいと感じたことはほぼ無いのですが、あの迫真の演技は今でも忘れられません。



 親が猟犬だったからか、とにかく走るのが大好きな犬で、広い場所でリードを離してやると、弾丸といったかんじで飛ぶように走り、見てる方も惚れ惚れするくらいでした。
 いつでも元気いっぱいだったその犬も死ぬ1~2年前には心臓が弱くなり、散歩もあまりできなくなってかわいそうでした。
 かなり弱ってきたという時に、私が様子を見に行って撫でてやっていると、だんだん意識がなくなっていきました。
 私がいつも散歩に連れて行き、家族の中では一番かわいがっていましたが、最期に私を待っていたんだ、となんとも言えない気持ちになり、よく世話してやって良かったな、と本当に思えました。




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