近所の図書館に行ったときのこと、文庫本の棚を眺めていたら、「納豆の快楽」というタイトルが目に入ってきました。
 ちょっと気になり手に取ってみると、著者は小泉武夫先生だったのですぐ借りることにしました。
 
 私は好きで毎日食べていますから納豆に関して興味はある方ですし、なんといっても小泉先生が書く納豆本となれば読まないわけにはいきません。
 たぶん日本で一番納豆について書くのにふさわしい人ではないでしょうか。
 

 知ってる人もいると思いますが、小泉武夫先生がどういった人か紹介すると、農学博士で東京農業大学名誉教授、専攻の発酵学・醸造学・食文化論学といった分野では日本の第一人者です。
 「発酵仮面」と自ら名乗り、発酵や食についての本を数多く書かれています。

 私はだいぶ前に、NHKで発酵についての連続講座をやっているのを見て先生のことを知りましたが、そのときの姿がなんとも印象的でした。
 伝えたい発酵の面白さが山ほどあるので早口にしゃべり続け、黒板で何か説明するのにも時間が惜しいとばかりにチョークをバンバン折りながら書いていきます。
 それを見ていたら発酵に対する小泉先生の熱意が伝わってきて、こちらまで楽しくなってしまいました。

 借りてきた「納豆の快楽」(講談社文庫)を読んでみると、内容は、納豆の歴史、作り方、納豆菌、栄養、におい、味、ヌメリ、世界の納豆、食べ方についてで、冗談をまじえた分かりやすい語り口で、まさに書き尽くすといったかんじです。
 あのときの講座の姿と熱意がそのまま詰まっている、納豆のあらゆることが語られた素晴らしい本でした。
 

 何でもそうでしょうが、物事を教えてもらうときは、本当にそのことを愛している人から教わるのが大切だと思います。
 楽しさが伝わってくれば、教わる方もそのことが好きになり、自然と理解できるようになります。

 今、健康食品として納豆は注目され、その消費量も伸びています。よく食べているという人も多いと思いはずです。
 この「納豆の快楽」を読めば、誰でも楽しく納豆のことを知れるようになり、納豆が好きな人はさらに好きに、それほど好きでない人も好きになること間違いなしだと思います。たくさんの人に一読をお勧めしたい本です。
 



 小泉先生のあだ名には「味覚人飛行物体」というものもあり、先生は取材や調査研究で世界中の発酵食や、珍食・奇食を食べてきています。
 そして、そういった世界のさまざまなものを食べても一度もお腹を壊したことがないそうです。その理由は旅行に大量の納豆を持っていって、現地で毎日食べているからだということです。
 本には、ちょっと危ないものを食べたとき、納豆を食べて難を逃れた経験について書かれています。


 納豆菌は病原性大腸菌と一緒にしても、それらを完全にやっつけてしまうくらい強い菌みたいです。
 納豆菌は私たちの身近の空気中にもいる細菌で、自然界には最も多くみられる微生物です。体の中に耐久胞子というものを持っていて高温や乾燥にも平気で、沸騰した湯の中に20分おいても生きていられます。
 この納豆菌が煮た大豆に付着してどんどん増殖し、納豆一粒に十億個つくようになるということです。


 そして、この納豆菌のおかげで納豆には煮た大豆より高い栄養価が含まれるようになります。
 
 たんぱく質は100g中に17gほど含まれていて、これは牛肉と同じくらいの量です。
 牛肉を食べれば脂質が気になりますが、納豆には牛肉の1/2~1/3の脂質しか含まれず、コレステロールはほとんどありません。

 ビタミン類も豊富です。
 ビタミンB1・B2・ナイアシン・ニコチン酸・ビタミンEなどを含み、とりわけ疲労回復などに効果のあるビタミンB2は煮た大豆の10倍もあります。こういった栄養は納豆菌が合成するものだそうです。

 カルシウム・鉄・カリウム・マグネシウム・亜鉛・銅などのミネラルも多いです。
 小泉先生が特に注目してるのが亜鉛で、これが不足すると、味覚が感じられなくなる、感情が不安定になる、精子が作られにくくなる、アルツハイマー病の原因になる、とされます。
 今、キレやすい人や味覚が異常になっている人が多くなっていますが、その原因に納豆を含めた和食を食べなくなっていることもあるかもしれません。

 納豆の健康効果としては、血栓を溶かしたり、血圧を下げたりすることがある他に、たんぱく質や炭水化物の分解を助ける消化酵素もたくさん含まれています。

 そして、納豆のうまさの正体であるグルタミン酸も他の食品に比べてずば抜けて多いです。

 これだけ栄養価の高い納豆は最高の健康食と言えます。
 



 小泉先生の納豆愛は食べ方にも表れます。
 「納豆の快楽」の本の半分は、納豆をいかによりおいしく食べるかについて書かれています。 

 私も納豆の食べ方はいろいろ試して記事にもしましたが(「納豆の食べ方あれこれ」)、小泉先生の創意工夫と比べたらまだまだだな、と思ってしまいました。ホント食通ぶりが半端ないです。 
 紹介されてるものは作るのに時間がかかるものもありますが、どれもおいしそうです。
 

 納豆と合わせるとおいしいものとしては、かつお節・ピータン・コンニャク・クサヤなどがお勧めだそうです。(他にもいろいろ紹介されています)

 納豆レシピとして、納豆汁・納豆巻・納豆の天ぷら・カレー・スパゲッティ―・サンドイッチなど、おいしそうなものが盛りだくさんに載っています。

 納豆の利用法として納豆醤油や干し納豆、また薬味についての考察といったことも出ています。
 読むだけで納豆の味とにおい、ヌルヌルまみれになりそうですが、まさに「味覚人飛行物体」の面目躍如といったところ、その納豆への情熱に圧倒されてしまいます。



 私も毎日納豆を食べるので、いつも新しい食べ方がないか探しています。
 最近たまにやるのがヨーグルト納豆と酢納豆です。
 ヨーグルト納豆は「ためしてガッテン」で紹介していたものですが、ヨーグルトと納豆をまぜるだけでなんともコクが出てチーズのような味になります。これにカレー粉を加えるとサラダにかけてもおいしいです。
 酢納豆は親がやっていた食べ方です。酢を加えてまぜるとにおいが増しますが、これもなかなかサッパリ奥深い味になります。


 納豆はご飯さえあればおいしく食べられますから、老若男女どんな人にも食べてほしい食材です。
 納豆を好きになる人が増えることで和食の良さの再評価にもつながればいいな、とも思います。
 おいしくて健康にも良く、値段も安い納豆を毎日いろんな調理法で食べれば、きっと人生も楽しくなるはずです。
 これこそが、「納豆の快楽」の中にでてくるフレーズ「納豆食(納得)」の生き方と言えるでしょう。
 「納豆食」の生き方に興味を持たれた方は、ぜひ小泉先生の本をお読みいただけたら、と思います。



コメント

Re: おはようございます!

ダリルジョンさん コメントありがとさまです!

納豆ヨーグルトカレーぜひぜひお試し下さい^^
ブログにも書きましたが、これはご飯にのせるよりサラダと一緒に食べるのが好きです。
納豆っていろいろ工夫できるから楽しいですよねー

おはようございます!

「納豆+ヨーグルト+カレー」今度の休みにやってみようかしら!
経験上、この組み合わせは、イケると思います!
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