近ごろはスマホやパソコン、インターネットが生活の一部になったことで物事を記憶しなくてよくなったと思います。
 電話番号は覚えなくなりましたし、分からないこともすぐ調べられて情報を手軽に保存しておけます。実際に文字を書かなくなったため、漢字が読めても書けないということもあります。
 そういったことが多いからか、記憶力が悪くなったと自覚する人は増えているみたいです。やはり覚えようとしなければ、能力が低下することはあるのでしょう。


 スマホやタブレットなどのデジタル機器の使用時間が極端に長くなると、記憶力ばかりでなく、思考力や判断力、集中力、コミュニケーション力が低下するということも起きるそうです。
 この症状を「デジタル認知症」「スマホ認知症」と呼んで警鐘を鳴らしている専門家もいます。
 これは実際の認知症とは異なりますが、認知症になることがほとんどない若いうちでも脳機能が低下するというもので、これから先こういった症状に陥る人が増えていくと考えられています。
 どれくらい使うと良くないのかは分かりませんが、スマホを片時も手放せないという人はかなり危険性が高いということです。 



 「デジタル認知症」の原因としては次のようなことが考えられます。

 インターネットを使っていると、たくさんの情報に触れるので、書いてあることを大まかにとらえるだけの「浅い読み」と呼ばれる読み方をしてしまいます。
 こういった浅い読み方でばかり文章を読んでいると、内容の意味を考えたり、記憶したりということあまり行わなくなってしまいます。
 スマホの場合、画面をスクロールしながら文字を読むと思いますが、このとき目が文字を追いかけているため、脳の中の見る機能ばかりが使われてしまい、記憶・思考のための機能が特に働かなくなるので注意が必要ということです。

 私はスマホを持ってないのですが、ネットの情報に触れることが多くなるにしたがって、じっくり本を読むことも減り、実際、昔より読み方が浅くなってきている気がします。
 「浅い読み」は「浅い考え」に対応していると思うので、ネットの情報をたくさん流し読むのは良くないのかもしれません。
 どんな文もじっくり読めばいろんな発見があるものですが、情報をただ得るための「浅い読み」ばかりしていると、行間にある大切なことに気づけなくなってしまいます。

 デジタル機器の使用には、二つ以上のことを行うマルチタスクの弊害もあります。
 音楽を聞きながらネットを見て、LINEをチェックするといったことを続けていると、脳に負荷がかかり、集中力が落ちるそうです。 
 

 この「浅い読み」と「マルチタスク」を長時間続けることによって、脳が酷使され過労状態になると、記憶力や思考力が低下する「デジタル認知症」につながっていきます。
 デジタル認知症の状態では、脳の「前頭前野」の機能が低下するということです。
 前頭前野は人間の脳のさまざまな機能を統合する司令塔ともいえるところです。
 ここの働きが悪くなると、記憶・判断などの認知力の低下に加えて、やる気がでない、感情のコントロールができなくなる、といったことも起きるようになります。



 子どものスマホの使用時間も長くなっていますが、長時間使うとやはり学力が低下するそうです。
 スマホばかり使っていれば(一日5時間ほど使っている子どもも多いそう)、勉強時間や睡眠時間が減るので成績が悪くなるのは当然に思えます。
 しかし、問題はスマホの使用自体にもあるということです。
 「脳を鍛える音読ドリル」や任天堂DSの脳トレの監修などで有名な東北大学加齢医学研究所所長の川島隆太先生の調査によると、子どもが長時間スマホ・インターネットを使うと、たとえ他の時間は勉強していてもその学習効果が落ちてしまうということです。

 「長時間スマホ・インターネットを使い、家で2時間以上勉強している」子どもと、「スマホは持ってなくて家でほとんど勉強していない」子どもの数学の正答率を比べると、後者の子どもの方が高いという結果になりました。(「頭のよい子の育てるために3才から15歳のあいだに今すぐ絶対やるべきこと」⦅アーチブメント出版⦆より)
 これを詳しく調べてみると、「スマホという形態に限らずインターネットを利用している時間が長ければ長いほど子どもたちの成績は下がる」ということが分かったそうです。
 そして、興味深いのはLINEの使用についてです。
 インターネットの使用が1時間以内の子どもと、インターネットを使わない子どもの比較では、使用1時間以内の子どもの方が少し成績が良いという結果になりました。(それ以上使うと成績は下がる)
 一方、LINEでは1時間以内ということは関係なく、使えば使った分だけ成績が下がるというデータがでました。
 これはLINEで、メッセージがいつ来るか、ということをいつも気にして、脳の注意力・集中力を低下させてしまうため、と考えられるそうです。

 また、今は勉強にタブレットなどデジタル機器を使うという流れがありますが、川島先生が「紙の辞書を使って言葉の意味を調べる」と、「スマホを使いウィキペディアで言葉を調べる」という行為を被験者にさせて脳の血流を調べてみると、辞書を使う場合は前頭前野の血流が増えたが、ウィキペディアを使ったときは前頭前野の血流が減ってあまり働かない状態になってしまったということです。
 辞書を使えば動かない字をしっかり読めますし(浅い読みになりにくい)、紙をめくるのに細かく手先を使ったりして脳を使うのが良い、ということがあるのかもしれません。


 先ほど書いたようにデジタル機器の使用には「浅い読み」と「マルチタスク」の弊害がありますが、これらのことによって子どもの脳がいたずらに疲労して、記憶・思考といった機能がしっかり使えなくなってしまうことがあるはずです。
 本来、子ども時代はこれらの脳機能を育てていくべきですから、スマホの長時間使用によってそれらが妨げられて発達しないというのはより深刻な問題だと思えます。
 「デジタル認知症」は若年化していて、ある研究では、海馬(記憶するための脳領域)が衰えていたという若者が1割いたということもあったそうです。




 若いうちは「デジタル認知症」といってもちょっと物覚えが悪いかな、という程度ですむかもしれませんが、その状態のまま年をとると、本当の認知症になっていく可能性が高いとも言われるので注意が必要です。
 自ら「デジタル認知症」っぽいなと思っている人は、最近よく耳にする「デジタルデトックス」を行って、少しでもスマホなどを使う時間を減らした方がいいと思います。


 「テジタルデトックス」のために専門家が勧めるのは次のようなことです。

「時間があったらとりあえずスマホをいじる、ネットサーフィンをするといった習慣を減らす」

「寝る1時間前や朝起きてすぐの使用、トイレ・風呂での使用、食事中や人と会っているときの使用を止める」

「ど忘れしたことがあってもすぐ検索せずに、少しの間思いだすようにしてみる」 

「メモを取るようにする。ネットで調べたことも手書きしてメモを取ってみる」

「紙の辞書を使う」

「情報をインプットするばかりでなく、仕事や趣味、表現などでアウトプットしてみる」

 仕事・作業・勉強など、頭を使いながらデジタル機器を使うぶんには大丈夫でしょうが、SNSやネットサーフィン、ゲームなどでただ漫然と使い続けないようにしたほうがいいのは確かだと言えるでしょう。これは大人・子どもともに難しいことかもしれないですが・・



 スマホ・タブレット・パソコンによって生活が便利で楽しくなるという大きな恩恵を受けていますが、その利便性、中毒性ゆえに私たちの時間が大きくとられてしまっているのも事実です。
 そうすると今回書いたように「デジタル認知症」になりやすくなりますが、考えてみればネットに存在する多量の情報はどうでもいいものであることが多く、私たちの脳はいらないものにさらされ続けて麻痺させられていう面もあると思います。
 インターネットは、そうして判断力が低下したところでいろいろクリックさせたり、必要ないモノを買わせたりするというところもあります。したがって「デジタル認知症」の人が増えるのを期待している人達もいる、ということかもしれないですね。
 とにかくデジタル機器の使用は、「デジタル認知症」に陥ったり、ネット社会の策略にハマったりすることなく賢く行いたいものです。


 次回は、私たちの脳がスマホ・ネットを使っていないボーっとした時間を必要としている、という今回の記事に関連したことについて書いてみたいと思います。
 

 
コメント

Re: おはようございます!

ダリルジョンさん いつもコメントありがとうございます!

今の世の中、長時間ゲームする人やスマホを一日中いじってる人は大人子どもともにかなりいます。
その人達に何か目に見えて症状が出ているとは思えないんで、「デジタル認知症」とか言っても
心配し過ぎかなとは思えます。(何かと心配してしまう性分なんです)
でも、電車に乗って乗客が皆スマホいじってる光景を思うと、なんか大丈夫なのかな、とも思ってしまいます。

私はアナログ人間なので時代からかなり遅れていますが、デジタルネイティブの新しい世代はホントに
私なんかの考えられない発想を持って、新しい時代を切り開いていくのかもしれませんね。


朝倉さやちゃんの記事書いたとき、「創世のアクエリオン」がCDに入ってるのとちょっと違っていたり、「奏」がいい曲だというのを知ったりして楽しかったです。
アルバム作っているなんてブログに書いてたようですが、早く新しい曲も聞きたいなー、って思ってます🎵

> この記事、私のツィートアカウントで
> 紹介しても宜しいですか?

もちろんです!

おはようございます!

少し昔の記事で紹介した
「脳内汚染」という本には、
小さい頃から、ゲームをしている子供達は、
確か、前頭葉の発育に影響があると、
書かれていました。

これからの人間は、違った「思考力」を
持って大人になるかもしれませんねぇ!

あ、そう言えば、
「朝倉さや」チャンの記事、
ありがとさまです❤
とてもあたたかく応援している、まやとさんの気持ちが、とても嬉しいです!

この記事、私のツィートアカウントで
紹介しても宜しいですか?

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