皆さんは食物繊維十分に摂れていますか?
 食物繊維と言われても、便秘で悩んでいる人以外はふだんあまり意識していない人の方が多いんじゃないかと思います。
 現代では、家で意識して野菜を料理するという人を除けば、野菜の量(食物繊維)はかなり不足していると思います。(外食やコンビニの弁当ではほとんど野菜は摂れませんし、コンビニのサラダを食べるくらいでは食物繊維は全然足りません)
 そのため日本人の食物繊維摂取量は昔と比べると減っていて、一日に12~14gくらいになっています。
 国による推奨摂取量は、女性18g男性20gですから、必用量の2/3しか摂ってないということになり、かなり少なくなっています。
 食物繊維は三大栄養素にビタミン・ミネラルを加えた五大栄養素と同じように重要なもので、「第六の栄養素」と呼ばれています。
 欠かすことのできない栄養で、健康な生活のために必須と言えると思います。
 今回はこの食物繊維の大切さについて書いてみます。



 食物繊維といえば、腸の掃除をして便通を良くしたり、血糖値の上昇を抑えたり、というイメージがあると思います。
 食物繊維にはそういった働きをする以外にも、今まであまり知られてなかった重要な役割があります。
 それは、腸内細菌が短鎖脂肪酸という物質を作るために必要、ということです。
 腸内細菌は食物繊維をエサとして酢酸、プロピオン酸、酪酸などの物質を作りだしますが、これらはまとめて短鎖脂肪酸と呼ばれます。

 以前は、ヒトの消化酵素で消化できない食物繊維はそれほど大切ではない、と思われていました。
 しかし、食物繊維が便通をよくするのは確かですし、糖やコレステロールの吸収を穏やかにするという働きもあって、摂った方がいいもの、と考えられるようになりました。
 そして、現在では腸内細菌が食物繊維から作りだす短鎖脂肪酸について少しずつ解ってきたことで、食物繊維はさらに大切な栄養ということになってきています。
 



 短鎖脂肪酸の働きは多岐に渡っています。
 この短鎖脂肪酸がどういったことを行うか知れば、健康・長寿に欠かせないもの、というのが分かってもらえると思います。
 

 まず、短鎖脂肪酸は腸内環境のために大きな役割を果たします。
 短鎖脂肪酸は酸なので、腸内を弱酸性に保ちます。
 腸内が弱酸性になると腸の働きが活発になって便通が良くなったり、悪玉菌が繁殖しにくくなったりします。
 また、腸壁の細胞は短鎖脂肪酸をエネルギー源にしています。
 そのため、食物繊維をたくさん摂って作られる短鎖脂肪酸が増えると、腸壁のバリア機能が高まります。
 このバリア機能が弱いと、腸内細菌や悪玉菌の出す毒素が腸壁を通過してしまい、これが全身に巡って体のあちこちで炎症を起こして、糖尿病や動脈硬化、ガンなどの原因になるそうです。
 
 毒素が腸を通り抜けるのは問題ですが、短鎖脂肪酸が腸粘膜から取り込まれ、血液を通じて全身へ運ばれると、さまざまな健康に役立つ働きをします。
 細胞の増殖や水・ミネラルの吸収を助けたり、腎臓や肝臓、筋肉のエネルギーになったりします。
 


 ダイエットを成功させるためにも短鎖脂肪酸は欠かせない物質だそうです。
 脂肪細胞には短鎖脂肪酸を感知するセンサーがあり、ここで短鎖脂肪酸を感知すると栄養分の取り込みを止め、脂肪が貯め込まれなくなります。
 また、交感神経にも短鎖脂肪酸を感知する働きがあり、短鎖脂肪酸に反応すると、全身の代謝が上がり、心拍数の増加や体温の上昇が起こって、体内に余った栄養分を蓄積させずに燃焼して消費するようになります。
 このように短鎖脂肪酸は脂肪の蓄積を抑えて消費を増やし、肥満を防ぐ働きをするので、ダイエットしたい人は食物繊維を多く摂るようにするといい、ということになると思います。
 高脂肪のものをたくさん食べて太っている人は食物繊維を分解する腸内細菌が少なく、短鎖脂肪酸をあまり作れなくなっているそうです。


 短鎖脂肪酸が腸の細胞を刺激すると、インクレチンという物質が分泌され、このインクレチンがすい臓に作用してインスリンを出しやすくする、という働きがあります。 
 そのため短鎖脂肪酸には糖尿病を予防する効果もあるそうです。
 食物繊維は食後の血糖値上昇を穏やかにする、という効果もありますが、短鎖脂肪酸を作ってインクレチンを分泌させる、ということでも糖尿病対策になっていると言えるでしょう。
 


 短鎖脂肪酸はアレルギーの予防・改善にも効果があると考えられています。
 アレルギーは、自らの免疫が花粉やハウスダストなどに過剰に反応することで起きます。
 この免疫の過剰反応を抑える働きをする「制御性T細胞(Tレグ)」という免疫細胞がありますが、このTレグを短鎖脂肪酸の一種「酪酸」が増やしてくれることが最近解ってきました。
 「酪酸」も食物繊維から腸内細菌が作るものですが、「Tレグ」を酪酸が増やすことによってアレルギーが改善されることは、とても注目されていて現在、世界的に研究が進められているということです。
 


 食物繊維が少なく脂肪分や動物性たんぱく質の多い食事は、短鎖脂肪酸を作る腸内細菌を減らし、悪玉菌と呼ばれる菌を増やします。
 この悪玉菌が作るDCAという物質が体の細胞に作用して、細胞の老化やガンを引き起こすということがあるそうです。
 高脂肪食を食べて太っている人はガンになりやすいとされていて、その原因はよく分かっていませんでしたが、この悪玉菌のつくるDCAの存在が発見されたことで、そのメカニズムの一端が解明されました。
 食物繊維をたくさん食べる人の腸内では、発酵が起こってその便はあまり臭わないですが、高たんぱく高脂肪の食生活を送る人の腸では、悪玉菌が増えて腐敗が起こり、便もすごく臭くなります。
 この悪臭は悪玉菌の繁殖のサインです。腸内が悪玉菌優位になると、ガンなどのさまざまな症状につながるということもあるので、食物繊維を意識的に摂り、臭わない便にすることは大切だと思います。



 食物繊維がうつ病などの改善に役立つということもあります。
 腸内細菌は、脳で働く神経伝達物質のセロトニンやドーパミンなどを作ることにも関係しています。
 セロトニンは脳を安静にさせ、ドーパミンは脳のやる気を引き出す、という働きをしますが、心の健康を保つためには、腸内でこれらの物質を作る善玉菌が多くあることが大切だと思います。
 そのためにはやはり、腸を整える食物繊維や発酵食品をたくさん摂る必要があります。
 各国の食物繊維の摂取量と自殺率には関係があって、自殺率の高い国は食物繊維の摂取量も少なくなっています。
 最近の日本人の自殺者数もとても多くなっていて深刻ですが、これも日本人が食物繊維を摂らなくなっていることと関係があるのかもしれません。


次回に続きます)


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