1月24日の記事「風邪について 薬の危険性」で、風邪をひいた時に抗生物質や解熱剤、症状を抑える薬を飲むのはあまり良くない、と言うことを説明しました。
 風邪は薬ではなく、私たちの体の自然治癒力で治すものですが、今日はその風邪を引いて治る、ということをポジティブにとらえた考え方を紹介したいと思います。

 
 気を使った療法や、体癖という分類による姿勢の修正体操などを普及する「社団法人 整体協会」の創始者野口晴哉氏が「風邪の効用」(ちくま文庫)という本を五十年ほど前に刊行しました。野口晴哉さんは、独自の生命哲学と病気治しの技術の凄さで有名だった伝説的な人物です。
 
 「風邪の効用」の中で、野口さんは風邪について、私たちが持つ「万病の元」とか「できれば引きたくない厄介者」といったとらえ方とは全く異なる考えを述べています。

 要約すると
「風邪というものは私たちの心身の疲労、偏りなどが大きくなった時に、それを自ら調整するために体が起こす現象であり、疲労・偏りからくる体の硬さを弾力のある柔らかいものに変える自然の療法である。
 だから風邪を引いたら無理に治すことなく、上手に経過させることが重要。
 そうすれば体の偏りが正され、さまざまな病の予防、さらには治療にもなる。
 風邪を引けるのは自らの体を調整できる敏感な体であると言える。」といったことを述べています。

 無理に治すことはなく上手に経過させるというのは、必要のない薬を飲まずによく休んで、体の治癒力に任せるということでしょうか。
 本の中には上手に経過させる方法として、手からの気をあてて背骨の偏りを正す療法や足湯のやり方、心理的現象から見た風邪についても詳しく書かれています。

 この風邪についての考えを初めて聞く人は、どういう風に感じるでしょうか。
 この考えは、東洋医学や代替医療などに関心のある人たちの間では広く知られて受け入れられた話です。あの野口晴哉が言うからということもあるのでしょうが、私も自身が風邪を引く度にこの考えの正しさを実感します。
 皆さんもぜひ風邪を引いたら薬を飲むなんてもったいない事をしないで、自身の治癒力で風邪を経過させて、体の変化を観察してみて下さい。薬にばかり頼っていると自然治癒力はどんどん弱まってしまいますよ。


 本の中で私が面白かったのは、風邪を引いたらそれを機会に体を治そう、ガンになるような鈍い体にならないように上手に経過しよう、と風邪を引く決心をすると、風邪はなかなか引けなくなるという文でした。
 風邪を引くのは心理的影響が大きいので、それを逆手に取った高等戦術だそうです。これでは風邪を引くのがいいのか良くないのか分からなくなりますが、引くもよし引かぬも良しということにして、私もこれからはこの気持ちで行こうと思いました。

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