私たちの腸の中には約百兆個もの腸内細菌が存在します。その種類は数百種類以上、重さにすると1キロはあるということです。
 腸内細菌の働きは多岐にわたり、人が生きる上で欠かせないものになっています。
 

 腸内細菌は私たちの生活習慣や何を食べるかによって、その状態が良くなったり悪くなったりと変化します。
 腸内細菌の状態が悪いと便通異常、生活習慣病、アレルギー、うつなどの精神疾患等のさまざまな病気になりやすくなると言われています。
 その働きはまだよく分かっていないことも多く、最近では自閉症と腸内細菌の関係の研究が進められるなど、まだまだ新しい発見がありうる分野です。
 腸内細菌と健康の関係は、長寿者や病気の人などの腸内細菌の比較によっていろいろなことが分かってきています。また腸内細菌の状態を良くする方法も研究されてきています。
 腸内細菌を良く保つことは、健康な人生を送るためのカギになると言えるでしょう。
 今回は、そんな私たちの人生のパートナーであり、運命を握っているともいえる腸内細菌の働きと活性化について書いていきます。



  腸内細菌の働き

*病原菌を排除する
腸内を弱酸性に保ち病原菌の増殖を防ぎます

*消化を助ける
腸内で消化できない繊維物質を分解したり、タンパク質や糖質を分解して消化、吸収を助けます。また腸を刺激してぜん動を活性化します

*ビタミン・ホルモンの合成
ステロイドホルモンやビタミンB群、葉酸、ビタミンKなどを合成します。タンパク質や腸内酵素も作ります

*免疫力を上げる
人の免疫システムの70パーセントが集中する腸の免疫の仕組みを刺激してその働きを高めます。腸内細菌を良い状態にすることにより、ガンを攻撃することで知られるNK細胞を含む免疫細胞は活性化すると言われています

*セロトニン、ドーパミンの元になる物質を脳に送る
セロトニンやドーパミンは、人の幸福感と関係する脳の神経伝達物質です。
 ドーパミンは意欲や喜び、快感などを感じさせるのに必要な脳内物質です。
 セロトニンは感情や自律神経のコントロールに欠かせない物質で、セロトニンの不足はうつ病の原因とも言われています。またセロトニンが日中よく作られると、夜間に睡眠をもたらし、細胞の修復を行うホルモンであるメラトニンが分泌されるようにもなります。
 セロトニンは肉、魚、豆類、卵、バナナなどに含まれるトリプトファン、ドーパミンも肉類などに含まれるフェルアラニンという必須アミノ酸から作られますが、これらの食品をたくさん摂取しても、腸内細菌が作り出す葉酸やビタミンB6などがないとうまく合成されないそうです。
 さらにセロトニン、ドーパミンの元になる物質も、腸内細菌の働きが強くないと、脳に送られることが出来ないそうです。


 腸内には善玉菌、日和見(ひよりみ)菌、悪玉菌と呼ばれる3つのタイプの腸内細菌が存在します。
 ビフィズス菌などの善玉菌が優勢な状態にあると、上記の腸内細菌の働きは強化され、若さや健康の維持に役立ちます。
 逆に大腸菌などの悪玉菌が多いと、腸内のタンパク質を腐敗させてさまざまな有害物質を作り出し、下痢や便秘、肌荒れ、アレルギー、生活習慣病や高血圧、高脂血症、老化の原因になります。また発ガンにも関係すると言われています。
 大腸菌はビタミンの合成や感染症の防御などに役立つ面もありますが、その数が増えると体に害を及ぼすようになります。

 悪玉菌を増加させる原因としては加齢、繊維質のない肉などの動物性タンパク質の食べ過ぎ、過剰なストレス、体の冷え、食品添加物や抗生物質などの薬の飲みすぎが挙げられます。
 これらのことに注意して善玉菌を増やすためには、発酵食品や食物繊維、オリゴ糖などを摂ることが大事です。
 日和見菌と呼ばれる菌は腸内細菌の大多数を占めるものです。これは悪玉菌が少ない環境だと大人しい存在ですが、悪玉菌が繁殖すると、それとともに同調して悪い働きをする特徴があります。



 最後に、セロトニンと腸内細菌の関係はとても興味深いので、もう少し触れてみたいと思います。
 近年の日本人のうつ病者数と自殺者の増加は、経済状況などの社会的要因によるところも大きいでしょうが、セロトニンの不足という問題も関係しているのではないか、と指摘されています。
 セロトニンは、脳内でストレスによる過度の緊張や興奮を抑えて、精神を安定させる働きをします。しかし、先ほど述べたように腸内細菌の働きがしっかりしていないと、腸で合成されず脳にも送られません。
 腸内細菌の状態を良くするためには食物繊維の摂取が大切ですが、日本人の一日の摂取量は肉食や加工食品の摂取増加とともに年々減り続け、極端に少なくなってきています。
 そのためにセロトニンの作られる量が少なくなり、うつ病などの増加につながっているのでは、と言われています。

 このことをメキシコと比較したとても興味深い話があります。
 メキシコは日本ほど経済的に恵まれた国ではなく、長年治安の悪さや貧困の問題を抱えていますが、そのメキシコは約半世紀の間、自殺率が世界最低という記録を持っているそうです。
 その原因の一つに、豆類などを多く食べるメキシコの人の食物繊維摂取量があるのではないか、と考えられています。食物繊維摂取量が日本人の3倍もあるメキシコ人の腸内環境は素晴らということです。(繊維が多いと排便量も多くなり、有害物質をよく排出してくれます)
 そのため、セロトニンも脳内にたくさん分泌され、陽気な国民性と逆境に負けない心が作り出されているのかもしれません。


 腸内環境の悪い人の腸に、善玉菌の多い健康な人の便を直接入れて、善玉菌を増やすなんていう施術も海外ではあるみたいですが、腸内細菌を増やす基本は何と言っても食べ物ですので、次回は、何を食べると腸内細菌が喜ぶか、について書いてみたいと思います。

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