ここまで数回、パニック障害克服のためのセロトニン活性について書いてきました。
それらは有田秀穂東邦大学名誉教授の本を元に書いたのですが、うつやパニック障害などの症状を持つ方には有田先生の話はけっこう知られたものだったようですね。私はセロトニンについてよく知らなかったので、長々と書いてしまいましたが、本を読んでとても感銘を受けての事だったので、分かりきった事をと思われた方はご容赦ください。

そんな有田先生の本にドーパミンについての興味深い考えが述べられていて、私自身にも思いあたる事があったので、今回はこの事を記事にしてみようと思います。
ドーパミンは生存に不可欠な、性や食などの本能行動への「意欲」と関係する脳内物質です。そして、ドーパミンは本能だけでなく、仕事の達成や社会的賞賛、買い物などさまざまな事に楽しさ、快感を感じさせて、人の興味や期待、やる気を生み出します。
ドーパミンが脳内で不足すると物事への関心が薄くなったり、運動・性機能が低下して抑うつ状態になったりします。さらにパーキンソン病もドーパミンの不足が原因と言われています。
逆に脳内にドーパミンが増えすぎると、幻覚や幻聴が現れて、統合失調症や不安障害につながることもあるそうです。また、様々な依存症もドーパミンの異常な働きによって起きると考えられています。
ドーパミンは人生を豊かに生きるために大切な脳内物質ですが、不安・緊張を生むノルアドレナリンと同じく自己抑制機能が働きにくいので、精神を安定させる役割をするセロトニンが脳内に十分ないと暴走しやすくなります。
セロトニンがたくさんあると幸せな感情をもたらしますが、ドーパミンがもたらすのはどちらかと言うと快感や快楽といった感覚です。別の言い方ではセロトニンは安心を、ドーパミンは満足をもたらすとも言えます。しかし、あまりにもドーパミンの快感を求めすぎると、以前とは同じ刺激では満足できなくなり、移り気にいろいろ求めたり、もっと大きな刺激が必要になり依存症につながることもあります。
慢性的なストレス状態にあってノルアドレナリンが脳内に常にたくさんあると、それを抑えるためにセロトニンがたくさん分泌され続けて、セロトニンの不足が起きたり、夜型の生活などでセロトニンの分泌が少ない生活を送ったりすると、ノルアドレナリンを抑えることが難しくなります。その強い不安から逃れるために、ドーパミンのもたらす快感を得ようとします。
でもドーパミンの気持ち良さは、先ほど述べたように耐性ができて依存をもたらしやすく、そしてノルアドレナリンはドーパミンから作られものだそうですが、ドーパミンを追い求める行為は、結局それが得られなかったり、失ったりした時に不安・ノルアドレナリンに変わってしまうので、それを打ち消すためにさらに強い刺激を求めるという悪循環に陥ってしまいます。
こういった事がエスカレートして、自分で制御するのが困難になると依存症になってしまいますが、有田先生は現代では多くの人がドーパミンを追い求めるドーパミンゲームにとらわれて、自らを苦しめているのではないかという指摘をされています。
ドーパミンゲームという言葉を読んだとき、私自身の生き方を振り返ってみると、ドーパミンゲーム的な我を忘れるほどの刺激的な面白いことはないか、といつも求めてきたのに思い至り、自分のあり方の誤りを具体的に指摘されたように思え、少し暗い気持ちになりました。
私は依存症で苦しんだことはないですが、何かに熱中してのめりこむ事が価値のある事と思って、これまで生きてきました。しかし、これは行き過ぎると自分本位の快感を求める、孤立と不安への道だったのではないか、とこの事を知ってから考えるようになりました。
また、世の中を見てみると私のようにドーパミンゲームの虜になっている人は、ストレスの多い環境やインターネットの発達の影響もあってか、とても多いと思います。
インターネットは膨大な情報がすばやく得られたり、SNSでいつも人とつながっていられたり、オンラインゲームやショッピングなど多くのことができてとても便利で楽しいですが、その便利さが際限のない快感と不安のドーパミンゲームをもたらし、様々な依存症に陥りやすくなる原因なっているのでしょう。
ネット以外でも、酒やたばこ、ギャンブル、セックス、恋愛、買い物、ゲーム、麻薬などドーパミンの快感をもたらして依存を引き起こすものは数多くあります。

ドーパミンは創造性とも深く関係があると言われています。だからアーティストにはドーパミンが、普通一般の人よりたくさん必要なのでしょう。ドーパミンをより分泌しやすくするためなのか、夜型の生活の人もけっこういるみたいですし、極端な場合だと薬物を使ってドーパミンを増やす所まで行ってしまうという事もあります。
でも、あまりに創作のためにドーパミンを分泌させるのはセロトニンの不足につながるからか、オリジナリティー・こだわりのとても強いアーティストは、うつなどの精神疾患になって大変な事になる人がけっこういるように思います。
そして、パニック障害もクリエイティブな仕事をする人に発症するケースがあるとも言われています。ミュージシャンの一方でマニアックな文章も書く菊地成孔や、作家の谷崎潤一郎なんかもパニック障害だったそうですが、彼らの強いこだわりはパニック発作につながる、セロトニンの少ないドーパミン過多ゆえなのだろうと納得できるところもあります。
まあ、芸術、デザイン、ファッションなどでは創造性、独自性、新しさや興奮、感動などドーパミンのもたらす要素が要求され、ドーパミンの働きは大いに発揮されるべきでしょう。これを追求しないと良いものはなかなか作れないと思います。
芸術に限らず、仕事でも勉強でも創造性・好奇心の探求や、報酬・成果の獲得などへの「意欲」を生むドーパミンと、その行為をやり遂げるための「集中力」「緊張感」の源・ノルアドレナリンは、それらのマイナス面ばかり述べてきましたが、やはり人が生きる上で欠かせないものです。しかし、それらが暴走しすぎると心身にダメージを与えるので(実際にノルアドレナリン、ドーパミンには毒性がある)、セロトニンによるそれらの物質の調整がとても大切になります。
ということで結局はセロトニン活性という話になってしまいますが、心身の安定の基本となるセロトニン神経が鍛えられ、セロトニンがよく分泌されていれば、創作や仕事のストレスの多いタフな状況でも意欲と自信を持ってやっていけるようになるのでしょう。

何をするにもストレスを感じてしまいがちな現代では、ドーパミンで快感をもたらし、嫌な事を忘れさせてくれる楽しみは、山のように資本主義の社会によって用意されています。このドーパミンゲームにハマるのも人生の楽しみの一つでしょうが、あまりに依存しすぎてしまうと、私たちは完全な満足という存在しないものを求めて不安になり、自らを孤立させていってしまいます。快楽を追い求めれば苦痛を背負ってしまうのは必然の原理です。
しかし、セロトニンのもたらすのは終わりのない欲望ではなく、足るを知ることだったり、人と人との思いやりのある交わりなどの私達が普段忘れてしまいがちな事のように思えます。

ドーパミンゲームから抜け出すにはまず、朝早く起きることが一番です。早朝のすがすがしさの中で依存症的な行いをしたくなるということはあまりないでしょう。
でも、朝起きてもやる事がなくてつまらない、気分が沈むと感じる人はセロトニン不足のマズい方向にいっていると思いますよ。
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