(前回からの続き)

「愛情の乏しい親に育てられると感情表現が乏しくなる。感情の中でも愛情は、最大最後のものであるが、もしこの感情を充足することができなかった場合、子どもは次第に、二重に傷つくことを恐れて愛情の欲求を出さなくなる。甘えたり、かわいい仕草をしても、拒否されたり、無視されたりするので、自分で自分の欲求を阻止してしまう。
人は愛情を断念して生きることはできないが、愛情を断念して生きる子どもは、次第に自分の情動のすべてを完全に抑えて生きるようになる。このような抑圧が高じると、子供はチックになったり、拒食・過食になったり、妄想、恐怖症、幻聴、幻覚などの症状を呈するようになる。
親から愛されずに育った人は、子供時代はもちろん大人になっても強い劣等感で悩むことになる。
この劣等感はなぜできたかというと、幼少期、親が子どもを無条件・絶対に愛し、受容しなかったからである。
親から無条件に愛されなかった人は「自分は親から気に入られていない人間」「欠点のある人間」という自己意識を持つようになり、「あるがままに自己」を受容することができなくなり、現実には存在しない「理想(偽りの)の自己」になろうとして苦しむ。このような苦痛は、親のしつけにも関係がある。親はあるがままの子どもを肯定し、満足していれば、子どもは幸福であり、自己を発展させることができる。しかし、親が子どもの現実に不満を持ち、その一挙手一投足にまで干渉、指図・強制すれば、子どもは出発点としての自己そのものが不満足なものであるが故に、自己を発展させられない。」

かなり長い引用になりましたが、ここで述べられたような幼少期の親子関係の不全が、前回に書いたパニック障害になりやすい2つの性格「緊張しい型」「バリバリ型」の根底にある心を生む原因になると考えられます。「緊張しい型」の内向的・神経質な性格が、こういった親子関係から作られるのは解りやすいですが、一見これと無関係そうに見える「バリバリ型」も、関心を向けてくれない親に認められたい心から、頑張りすぎてしまう性格になるということだと思います。
こうして幼少期から常に安心できずに心が緊張状態にある事が、自律神経の異常をもたらし、パニック発作につながっていく原因になるのは十分に考えられます。
そして、傷つき、心の奥に押し込められて、顧みられなかった子どもの心=インナーチャイルドを抱えた女性が育児をして、かつて自分にもあった子どもの心に直面すると、自分の中の抑圧したインナーチャイルドを思い出し、ネガティブな感情を甦らせてしまう。その結果、子どもを愛せず避けるようになり、育児に困難をきたすようになり、ひどい場合は児童虐待にもつながる。このことの原因と対処をいかにするかというのが文章を引用した「インナーチャイルドの癒し」の内容です。
しかし、満たされないインナーチャイルドが問題になるのは、育児中の母親ばかりではなく、精神疾患の原因になるとも思われますし、世の中に多い子どもっぽい大人、自立できなかったり、短絡的でキレやすい、思いやりに欠ける、クレーマーやストーカーといった人々も理解されないインナーチャイルドを抱えていると私には思えます。
子供は本来天真らんまん、純粋で、生き生きとして活発ですが、わがままで、自己主張が強く、感情のコントロールもできない面も持っています。だから、子どもなのですが、そういった子どもっぽさを大人が受け入れてあげることで心が安定して、次第に精神的に成長していきます。
けれども、満たされないインナーチャイルドを持ったままの親によって子どもらしさが否定されると、いつまでも子どもの欲求を解消できず精神的に成長できないままになり、周囲に気を配れず、自分のことばかりに関心を向ける人になってしまいます。
幼少期の問題が一生を通じて人を支配するのは、あらゆる心理学で言われている事でインナーチャイルドの考え方はその一つですが、問題の本質は同じ事に思えるのでインナーチャイルドという用語を使って話を進めていきますが、この問題をどうやって解決するかはとても難しく重要です。インナーチャイルドのセラピーやカウンセリングを受けるのも一つの手段です。
自分でできる事として、自らのインナーチャイルドを救うためには、自分の心を見つめ、心の奥に押し込められて苦しむ、或いは暴れているインナーチャイルドの想い・欲求に耳を傾け、そのありのままを認めてあげるようにします。
インナーチャイルドは親に子どもの頃の自分を認めてもらえない事で生まれましたが、大人になった自分自身がそれを抑圧したままにする必要はないでしょう。
もちろん意識すると自分を保てなくなるので見えない所に隠したものですから、それに再び触れ、掘り起こすのは辛いかもしれませんが、インナーチャイルドの悲しみや汚れた、見たくないと思える感情まですべて認めて癒してあげるのは、私たち自身にしかできない大切な作業です。自らのインナーチャイルドに否定的なことは何も言わずに、ただ語らせて、その想いを知ってあげることです。
そして、私たちが憂いや不安にとらわれずに生きるための源になるはずだった子どもの心に命を吹き込み、その本当の想いと共に生きていくようにするのが求められると思います。

(次回に続きます)
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