最近、酵素ダイエットや酵素ドリンク・サプリといった言葉をよく目にします。
 また酵素をたっぷり含み、ビタミン・ミネラル等の栄養も豊富なスムージーや野菜ジュースを自分で作って飲む人も増えていいます。ですから、一昔前までは耳にすることもなく、あまり関心も払われなかった酵素は世間的によく知られたものになり、今はちょっとしたブームと言ってもいいのかもしれません。
 この酵素の流行は、ナチュラルハイジーンやローフードといった食に関する海外の考え方の影響、ベストセラーとなった新谷弘美先生の「病気にならない生き方」、また酵素について詳しく書かれた鶴見隆史先生の著作などによってもたらされたように思います。
 鶴見先生については、知らない人もいるかもしれませんが、アメリカ発祥の「酵素栄養学」を日本に紹介された方です。
 「酵素を理解することで健康につながる。人の寿命は体内酵素の内在量に左右される」と主張する鶴見先生は、酵素と健康の関係について分かりやすく説明した本を数多く書かれています。
 酵素とは何かからその働き、体内酵素を消耗させない生活習慣、酵素を摂る食べ方といったそれらの本の内容は、知っていると健康にとても役立つものだと私は考えます。
 そこで今回は『「酵素」の謎』(鶴見隆史著 祥伝社新書)という本を参考に、「酵素栄養学」の考え方を大まかにまとめて紹介しようと思います。

 酵素の大きさは5~20ナノメートルで顕微鏡では見えないくらい小さいものです。形は球状で、その形を頻繁に変えて動き回るそうです。
 酵素は捕まえにくく、定量計算も困難で、よくわからないことが多い生きた栄養素で、鶴見先生は酵素を「タンパク質という殻に包まれた触媒的な働きをする生命体」と定義しています。
 人の体を構成する100兆個の細胞には、それぞれ数百~数千種類の酵素が存在しています。1つ1つの細胞は毎分100万回の異なった化学反応を行っていて、その化学反応を触媒として仲立ちするのが酵素だということです。
 したがって、人間(及び生物も)の体内で起きるすべての化学反応は酵素なしで行うことはできず、呼吸や会話、食べることから消化、細胞の新陳代謝、老廃物の排出等あらゆることが酵素の働きによるものと聞かされると、いかに酵素が大切かが分かってもらえると思います。

 酵素の種類は大きく分けると「体内酵素」と、生の食べ物の中に含まれる「食物酵素」に分かれます。
 そして「体内酵素」は、人の体内に2万種類以上あるそうですが、その働きによって「消化酵素」と「代謝酵素」の2つに分けられます。
 消化酵素は体に取り入れた食物を消化します。
 代謝酵素は消化・吸収された栄養素を血や肉、筋肉に変え、体をスムーズに活動させる働きをするものです。
 体内酵素は、1日で生産される量がほぼ決まっていて、その作られた1日分の酵素を体は消化酵素と代謝酵素に振り分けます。この時に全体の中での消化酵素の占める割合を少なくすることが健康につながります。
 たくさん食べたり、消化しにくいものを食べると、体は消化酵素を大量に使ってしまい、代謝のための酵素が足りなくなってしまいます。こうなると代謝酵素による体のメンテナンスがうまくいかなくなり、その結果、病気になりやすくなってしまうということです。

 体内酵素を消耗させないためには、まず食物酵素を多く含んだ生野菜・果物・魚の刺身などの生の食べ物と味噌・納豆・漬物などの発酵食品を多くとるようにします。
 食物酵素はすべての食べ物の中に含まれるもので、動植物が死ぬと働きだし、その動植物の本体を自ら分解します。
 食物酵素のこの仕事は「事前消化」と呼ばれ、人が食べ物をかみ砕いて細胞が破れた時に、食物酵素はその働きを始めます。この「事前消化」が人の消化を助けることで消化酵素をたくさん使わなくすみます。
 しかし、食物酵素は加熱されるとその力を失ってしまうので、生の食べ物を食べる必要があります。
 生の食材の重要性を示す例として、動物園の動物に生のエサと加熱したエサを与えてみた場合、病気をせずに長生きするのは生のエサ(酵素を含んでいる)を与えられた方だった、ということがあるそうです。またクモやカエルが死んだ虫を食べないのも、生きた虫を食べることで酵素を摂ろうとしているからかもしれません。
 食物酵素を多く摂る食事には 1・消化が良く、栄養の吸収がスムーズになる 2・消化が良くなることで腸内腐敗を減らし、免疫力を向上させる 3・血液をサラサラにして、血行を良くする、などの効果があります。
 
 食物酵素を摂るためには発酵食品と生野菜・果物を意識的に食べることが必要ですが、野菜・果物をジュースにしたり、すりおろしたりすると、酵素の入っている細胞の膜が壊されるので、酵素がよりたくさん摂れます。
 さらに、よく噛んで食べると、食べ物を細かくする・唾液をたくさん出して唾液に含まれる消化酵素を働かせる・食べ過ぎを防ぐ、などの効果があり消化を助けるので、よく噛むことはとても大切です。
 また酵素は良質の水がないと働かないので、ミネラルウォーターや浄水器を通した水などを一日1リットル以上飲む必要があるそうです。

 そのほかに鶴見先生が指摘する、食事で酵素を減らさないための主な注意点は、
・朝は消化器官がまだ働いていないので軽く食べるようにする(それか朝は食べない)。必要以上にたくさん食べすぎて消化器官を消耗させ、消化酵素を浪費させない。
 食べる順番は生野菜・果物から先に食べる。これらには食物酵素があるので消化が早く、後から入ってくる食べ物の消化を助ける働きもするそうです

・生の食品と加熱した食品の割合は6対4から5対5にして、動物性食品も多少摂る。

・砂糖は消化するのに酵素をたくさん使うので摂りすぎない。食品添加物や薬は酵素の働きを阻害するのでなるべく摂らないようにする。
 またスイカ・ブドウ・ミカンの種などを飲み込んでしまうのは、消化酵素を浪費してしまうのでやめたほうがいいそうです。 
 そして、睡眠中は体が新陳代謝を行い、次の日の酵素を生産するとても大切な時間ですので、寝不足には注意が必要です。

 今回は、酵素と健康についての鶴見隆史先生の考えをまとめてみました。
 基本的には、健康に生きるためには体内酵素、特に消化酵素を消耗させないようにして代謝酵素の働きを高める、という分かりやすい考え方だと思います。
 人の生涯に作られる体内酵素の量はほぼ決まっていて、20代をピークに40代を過ぎると急激に減少していくそうです。
 しかし。潜在的に人は100歳を超えて生きるだけの酵素生産力を持つ、と鶴見先生は推測しているみたいなので、人の健康と寿命は、いかに酵素を浪費しない生活をするか、によって決まると言っていいのかもしれません。
 私も鶴見先生の本を読んでから、生活の中で酵素を消耗しないために出来そうなことは行うようにしています。果物を前より多く、食前に食べるようにしたり、生野菜や漬物を意識的に食べる、など簡単なことですが。
 これで何かが劇的に変化するということではないけど、小さな習慣のつみ重ねが大切だと思います。

 また鶴見先生の本には、白髪と酵素の関係やクジラが食べた多数のアザラシをどう消化するか、腸内細菌の酵素の働き、酵素断食、といった興味深い話もたくさん書かれています。酵素に興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。

 よく噛んで食べるのが、健康にいいのは誰でも知っていることだと思います。
 毎日の食事をよく噛みながら食べると、多くの健康効果が期待できます。

 ・噛むことが満腹中枢を刺激することで食べ過
  ぎを防ぎ、ダイエット効果がある
 ・唾液の量が増える。唾液には抗ガン、若返り、
  虫歯予防などの効果がある成分が含まれる
 ・唾液の消化酵素の働きや、食物を細かく
  することによって消化吸収を助ける
 ・脳の働きを高めて記憶力などが良くなる。噛むこと
  のリズム運動によってセロトニンが分泌されてリ
  ラックス効果がある
 ・十分に味わって食べられるので素材の味や薄味を楽
  しめる
 ・口のまわりの筋肉を鍛えて滑舌を良くする、小顔に
  なる
   
 噛む回数を増やすだけでこれだけの効果があります。
 ですから、無努力な健康法を紹介するブログとして、よく噛むことは一度は取り上げるべきものだったと思います。
 でも、私は噛むことがどうも苦手で、頑張らないとできません。よく噛めるようになりたいと思い始めても、面倒になって続かないのです。そして、「食事は本来楽しいもののはずなのに、努力しながら食べるのはどうか」と結局は思ってしまいます。
 ということで、自分がやっていないことは勧められないので、噛むことについては今まで書きませんでした。

 しかし、前回の記事(舌の正しい位置)を書くために、舌を上に挙げることについて説明された本「舌は下でなく上に」(宗廣素徳著 文芸社)を読んでいたら、よく噛むことに関してあまり聞いたことがないアドバイスがでていました。
 そこには「よく噛むことは大切だが、強く噛んではいけない。強く噛むと、歯に負担をかける、早食いになって唾液の量が減る、食事に満足感・満腹感を感じられず食べ過ぎてしまう、といった弊害が起きる。したがって、噛むときは、歯があたる瞬間に力を抜くような軽い感覚で何回も繰り返し噛むのがベスト」ということが、歯科医である宗廣先生によって書かれていました。
 「近ごろは固いものを食べることが少なくなった」というのはなにかと耳にする言葉です。この言葉から私は、よく噛むということも何か噛みしめるようなものだ、と思い違いしている所があったのかもしれません。それだけに、宗廣先生の「軽い力でやさしく繰り返し噛む」という言葉を読んだときには、何か新鮮なものを感じました。
 そこでさっそく、食事の時にこうやって食べてみると、今までの自分の噛み方は何だったんだろう、というくらいによく噛めます。
 このやさしく軽い噛み方だと、噛み続けるのが嫌になることはありません。努力して噛むというかんじはなく、むしろ、たくさん噛んでいたい気持ちになるほどでした。
 食べ物の味もしっかり感じられ、食べたあとは口をよく動かした心地よさがあって爽快です。そして、唾液も多くでるので消化にも良いはずですし、食べる量も以前のように思いきり満腹になるまで食べなくても満足できるようになったと思います。
 一般に「よく噛む」というと、一口30回以上噛むということみたいです。私は数えるのが面倒なので、何回噛んでいるか分かりませんが、それほどは噛んではいないかもしれません。でも確実に今までの倍以上は噛んでいるはずです。

 ということで、軽い力で噛むという適切な方法を知ったことで、記事の冒頭に書き並べ、私的には縁がないと思っていたよく噛むことの恩恵を受けられることになりました。
 以前の私のように、よく噛んで食べたいけれどなかなか出来ないという人は、必要以上に強く噛んでいる場合がありますので、一度この「軽い力で噛む」ことを試してみてください。
 私が味わった感動を経験できるかもしれません。



 最後に余談ですが、以前「舌は下でなく上に」を読んだときには、この軽く噛むという箇所に気づきませんでした。
 軽い力で噛むというコツを知らなければ、これからもよく噛んで食べることは出来ないままだったでしょう。読み返してみて本当に良かったです。
 買おうか迷った本でしたが、「舌は上に」という話のほかにも、これから一生使える噛み方も教えられる、というありがたい一冊になりました。











 昨年12月10日の記事「TPPの危険性をつい最近知りました」で、TPPのISD条項の恐ろしさについて取り上げました。TPPは私たちが思っている以上の多くの分野にわたる取り決めで、発効されるとさまざまな問題が起きることが懸念されます。
 そんなTPPの問題点の中でも、遺伝子組み換え食品の輸入が増えるかもしれない、ということが私は特に気になって、遺伝子組み換え(genetically modefied 以下GMと表記します)の問題について調べてみました。すると、今まで知らなかったことがたくさんあり驚きだったので、今回は遺伝子組み換え(GM)食品のことについて書いてみたいと思います。


 今、日本では大豆やコーンを使う食品にGM作物を使う場合、その使用を表示することが決められています。(しかし、後で説明しますが表示されていないものにもGM作物は使われています)
 このルールはGM作物を推進するアメリカにとって目障りなものなので、TPP交渉によってGMの表示を禁止されるようになるのでは、ということが言われていました。この心配は、TPP協定案で「各国の法令や政策の修正を求めない」と明示されたので、一応無くなったされています。
 しかし、昨年末に放送されたMXテレビ「バラいろダンディ」を見ていると、認知科学者の苫米地英人さんが、「この問題がこれで終わるかは疑問だ」と言っていました。
 TPP条約は分かりにくいといわれる英文で1000ページ以上にわたって書かれたものですが、苫米地英人さんによると、その中に「GM表記のルールが異なる場合にその理由を説明しなければならない」という条文が入っているそうです。(遺伝子組み換えと書かずにオーガニックという言葉を使って分かりにくくしている)
 苫米地さんは、アメリカのGM産業がこの条文を使って日本をISD訴訟で訴えて制度を変えさせようとしているのではないか、ということを言っていました。
 たしかにTPPは、アメリカ企業にとって大きなチャンスなのですから、自分たちの利益を求めるためにさまざまな手段を使って制度改変を狙っていることは十分考えられます。
 日本人は基本的に、GM作物への不安を持っていると思います。
 日本国内ではGM作物は商業栽培されていませんし、コーン・ジャガイモで作るお菓子や、豆腐・納豆などの大豆製品にはほとんどGMは使われていません。おそらくGM作物を使用したものだと売れないのでしょう。
 しかし、食品のGM表記が禁止されるようになると、たぶんそれらの製品にもGM作物が使われだすのは確実です。その結果、どの製品にGM作物が使われているか分からなくなってしまい、多くの日本人が望む「GM食品を買いたくない」という選択ができなくなると思います。


 大豆製品やお菓子を買うときはGMでないものを選んでいるから大丈夫、と考えている人も多いはずです。
 しかし、あまり知られてないと思いますが、日本はコーン・大豆・ナタネなどのGM作物を世界一輸入している国です。これは避けていると思っているGM食品を、私たちが知らないうちにたくさん食べているということです。(世界一食べているという説もある)
 私たちがふだん口にしている植物油やジュース、お菓子、調味料、添加物などはかなりのものがGM作物で作られています。
 日本のGM表記のルールはEUなどと較べて緩いので(中国でも日本より厳しい)、いろいろな食品にGM作物が使われていても気づかない、ということになっています。
 また畜産養鶏業ではかなりの飼料がGM作物になっているので、私たちは肉・乳製品・卵を食べて間接的にもGM作物を摂っていることになります。
 こうなると、スーパーで売られている食品の多くにGM作物が入っている、と言ってもいいでしょう。私たちの食生活は、もはやGM食品なしでは成り立たなくなっています。
 私もGM食品を避けていたつもりですが、遺伝子を組み替えられた製品が、これほど身の回りにあることには気づいていませんでした。たぶん多くの人もこの現実を知らないだろうと思います。



 生命を人間の都合のいいように人工的に操作するという不自然さ、将来的な健康への悪影響、なんとなく嫌という漠然とした嫌悪感。遺伝子の組み替えられた作物を避けたい、と多くの人が考えるのはこういった理由からでしょう。
 GM作物の安全性は確かめられているという事になっていますが、人体に対するしっかりとした試験が行われているわけではありません。
 アメリカでは、GM作物の種子を開発・販売する企業モンサントの行う試験データがそのまま受け入れられて、承認されているそうです。日本でも国際的に安全性が認められているという理由で、独自に調査することはないみたいです。
 しかし、GM食品は、アレルギーの誘発や免疫力の低下、胃腸の不調、栄養成分の減少といった多くの問題を起こしている可能性があるといわれています。もともとGM食品の安全性に懐疑的だったEUでは、動物実験で異常が見られたことからGM作物を厳しく規制するようになっています。
 またGM作物の花粉が飛散して、GMの遺伝子が環境にバラまかれ害を及ぼすという問題もあります。
 アメリカでは、非GM作物や有機栽培の作物がGM作物の花粉を受粉し交雑してしまうことが起きて、有機農業やこれまでの農法を続けるのが難しくなっているそうです。(アメリカではコーン・大豆・ナタネなどのGM作物の栽培面積が約90%になっている)
 こうやって組み換えられた遺伝子が広がってしまえば、元の環境に戻すことは困難になってしまいます。そして、その遺伝子汚染が予期できない事態をもたらすのではないかと懸念されています。

 また、GM作物の栽培法にもさまざまな問題があるといわれています。
 GM作物は、除草剤がかかっても枯れなかったり、害虫が作物を食べると死んだりするように遺伝子が組み換えられています。
 そのため非GM作物より栽培しやすく、農薬使用量が少なくすむとされています。しかし、雑草や害虫も除草剤やGM作物の特質に対応して変化するので、それまでの方法では駆除できなくなり、かえって除草剤や農薬をまく量が増えているということがあります。そのために環境や作物が除草剤・農薬で汚染されるということが世界中で起きているということです。
 GM作物の多くは、モンサント社の除草剤「ラウンドアップ」に耐性を持つように遺伝子が換えられているので、農家は「ラウンドアップ」を使用することになります。(そういう契約を行う)
 モンサントは「ラウンドアップは安全だ」としていますが、世界的にラウンドアップ使用による人体への悪影響や、動物・昆虫などの減少といった被害が報告されていて、その安全性が疑問視されています。そして、昨年の3月にはWHOの国際がん研究機関が「ラウンドアップ」の主成分グリホサートに発ガンのリスクがあることを発表しました。
 このようにGM作物には、不自然なGM技術による人体への影響・他作物への遺伝子汚染の問題に加えて、農薬の環境・人体への汚染の危険性もある、ということにも注意してもらいたいです。


 多くのGM作物の種子はモンサントが開発していますが、このモンサントという会社の存在や強引なやり方が嫌悪の対象になっているということもあります。
 アメリカでしっかりした安全性の調査がされずにGM作物が認可されてきたのは、モンサントが政府機関と癒着しているから、と言われています。(モンサントの従業員が政府の要職についたり、政府の関係者がモンサントに移ったりするので「回転ドア」と呼ばれている)
 それから政治家への献金やロビー活動にも膨大や金をつぎこみ、自分たちに有利な政策を作らせています。マスコミに対しても金銭や法的な脅しといった手段を使って、情報のコントロールを行ってきました。
 さらにモンサントは、食品へのGM表記を求める住民投票の反対工作に多額の金を使う、栽培する非GM作物の中にGM作物が混じっていたとして(これは近隣のGM作物の花粉を受粉したために自生していたもの)非GM農家を特許違反で訴え多額の賠償を求める、PCB汚染やベトナム戦争の枯葉剤を被害をもたらした過去を持ち「枯葉剤の人間に対する影響は証明されてない」と今でも言っている―――と、モンサントが相当にダークな企業だということを理解してもらえると思います。(詳しいことは「モンサントの不自然な食べもの」という映画や「モンサントの嘘」(成甲書房)といった本をご覧ください)
 そういった会社が、貧しい国々への食糧援助という名目でGM種子を押しつけて伝統的な農業を壊そうとしたり、アメリカ政府を通じて世界の国々にGM作物を受けいれるよう圧力をかけたり、種子会社を買収して作物の種を独占しようとしたりするので世界的な反発を招いています。
 昨年5月にはアメリカ、EUなど世界48ヶ国400都市で一斉に大規模な反GM反モンサントのデモが行われました。
 政府や大企業の思い通りにマスコミがコントロールされている日本では、こういった世界的なモンサントへの反対運動や、GM作物の問題はほとんど報道されません。日本がGM作物の輸入量が世界一であることや、モンサントがどういった会社でGM作物にはいろいろ問題があることなどを知れば、危機感や怒りを誰もが持つと思いますが・・・。
 それともこれは、多くの人にとってどうでもいいことなのでしょうか。

 (次回に続きます)



 



 (前回からの続き)

 日本はGM(遺伝子組み換え)作物を世界一輸入していて、私たちは日常的にGM食品を口にしています。
 ということは、世間的にはGM作物はもう受け入れられているということでしょうか?それとも、情報の不足や私たちの無関心、食品表示の緩さなどのせいで、自分たちは避けているつもりでも、知らずに食べているのでしょうか?
 私の思うに実際のところは、多くの人がGM食品を受け入れているわけでなく、これだけ身近になっていることを知らないだけだと思います。
 また、GM作物が使われているのを知っていても、ふつうにスーパーで買い物をしていれば、あらゆる食品に入っているGMを避けることは不可能でしょう。
 それでもどういったものにGM作物が使われているかを知れば、口にする機会を少しでも減らすことができます。
 そこで、ここからはどういった食品にGM作物が使われているかと、それらを避ける方法について書いてみたいと思います。


 多くの人がふだん炒め物・揚げ物に使うサラダ油と呼ばれる商品は、ほぼGMのナタネや大豆から作られています。コーン油や綿実油といった油もほとんどのものがGMを原料としています。
 これらの油は安かったり、健康に良いということを謳ったりしていますが、GM作物から作られているだけでなく、化学薬品を使って製造したりしているので、あまり使わない方がいいと思います。
 GM作物から作られていない油は、オリーブ油、ゴマ油、米油、えごま油、亜麻仁油などです。多少値段が高いですが非GMのナタネ(キャノーラ)油・大豆油などもあります。
 またマヨネーズ・ドレッシングなどの調味料から加工食品、パン、チョコ、お菓子に至るまで多くの食品の原材料に植物油(脂)が使われています。この植物油というのは、かなりのものが非GMのパーム油ですが、GMのコーン油・ナタネ油・大豆油なども使われているそうです。
 私たちが食べるあらゆる加工食品に植物油(脂)は入っていますから、GMの油を避けるのは非常に難しいことになります。自然食品店や生協で非GM・有機の植物油を使った商品を買うか、加工された食品の購入を減らして、いろいろ手作りした方がいいということかもしれません。

 ジュース、お菓子等の甘いものに使われる果糖ブドウ糖液糖や水あめなどの原料もコーンです。これらの甘味料の原料に非GMコーンを使っているという場合もあるみたいですが、ほとんどがGMコーンだと考えられます。
 私たちが好きなジュース・お菓子といった甘いものにはぶどう糖や植物油が含まれているものがほとんどですから、それらを食べたり飲んだりする限りGM作物を避けるのは不可能になります。
 現代では甘いものを食べないという人は少ないでしょう。甘いものを口にするのとGM食品をやめるのとどちらかを選べと言われれば、多くの人が甘いものを取ると思います。
 しかし、甘いものを食べなくても死ぬことはないですし、逆に健康にいいはずですから、少し甘いものを減らしてみるのもいいのかもしれません。GM作物を避けるだけでなく、ダイエットできる、虫歯が減る、などというふうに良いことづくめではあります。
 また低カロリーの飲み物やお菓子に入っている人工甘味料アスパルテームなどもGMコーンから作られているみたいです。食品に入っている甘味でGMのものを避けたかったら、原材料表示に砂糖と書かれたものを選ぶようにします。(それでもGMテンサイから作った砂糖という場合もあるので、完全に大丈夫とは言えませんが・・・)

 醤油やみりん(風調味料)、日本酒、梅酒、サワーといったものに入っている醸造用アルコールもGMコーンから作られているといわれています。
 酢も原料にコーンと書いてあればGMです。そして、酢が原料に含まれているケチャップ・マヨネーズ・ドレッシングなどは、メーカーが安いGMの原材料を使うのでほとんどがGM食品でしょう。
 醤油やみりん、酒は原料表示を見て醸造用アルコールの入ってないものを選ぶといいと思います。酢は米酢などコーンを使っていない商品だと安心です。

 加工食品、市販の弁当・惣菜などに加えられている添加物もGM作物から作られています。原材料表示でよく目にするレシチン、ショートニング、デキストリン、たんぱく加水分解物、加工でんぷん、調味料(アミノ酸等)などといったものは、GM作物を原料としている可能性が高いです。
 GM作物かどうかにかかわらず、添加物はあまり摂取しない方がいいですから、加工食品や市販の弁当・惣菜を減らしたりすることが大切だと思います。添加物の少ない食生活を心掛けると体の調子に違いを感じるはずです。 
 
 日本に輸入されるコーンの80%近くが遺伝子組み換えです。そして、輸入コーンのうちの約65%が飼料として牛・豚・鶏に与えられています。ですから私たちは国産の食肉、乳製品、卵などを通じても、間接的にGM作物を食べていることになります。
 このような間接的な摂取も含めると、日本人は一人当たり年間250kg近い輸入コーンを食べていることになるそうです。日本人一人のお米の年間消費量は約60kgですから、私たちの体のかなりの部分はGMコーンで作られている、といった方がいいのかもしれません。
 日本の一般的なスーパーでは非GM飼料で飼育された肉、乳製品、卵はほとんど買えないと思います。(輸入される食肉、乳製品もほぼGM飼料で飼育されたものでしょう。またアメリカからの牛肉、乳製品には「遺伝子組み換え牛成長ホルモン」という非常に問題のある物質が使われているものがあります)
 そのためGM飼料を避けたかったら、生協や自然食品店で肉、乳製品、卵を買い求めるしかないようです。
 EUでは一般に流通している肉、乳製品などにも、どういった飼料が与えられていたかが表示されています。GM表示の義務がないアメリカでも国民のGMに対する関心が高いので、GM飼料を与えないで育てられた肉・乳製品がスーパーで売っていたりするそうです。
 また、最近成長を早めるために遺伝子を組み換えられたサケの販売がアメリカで認可されました.アメリカで認められれば日本でも言いなりのごとく認可するでしょうから、そのうちGMサケは大量に輸入されるようになると思います。
 このサケも安全性をしっかり調べられてないでしょうし、海に放され天然のサケと交雑して、遺伝子汚染をもたらす可能性が懸念されています。スーパーでは売られないかもしれませんが、外食などでは使われることになるでしょう。
 ほかのGM魚も開発されているそうですし、消費者にはまた注意しなければならないことが増えて、本当にいいかげにしろと言いたくなります。


 このように日本では、GMの表記がしかっりされていない、行政・マスコミが情報を知らせない、消費者の知識が不足している、などによって身近な食べ物がGM食品ばかりになっています。
 しかし、スーパーで売られているものでも、一部の商品にはGM原料をあえて使わずに作られたものもあります。
 「いでんし くみかえ さくもつ のない せいかつ」(手島奈緒著 雷鳥社)という本によると(この本はGMの問題をとても分かりやすく説明していてお勧めです)、発泡酒などではないビールや、大塚製薬の「SOY JOY」「SOYSH」には入ってないそうですし、ポテトチップス・かっぱえびせん・フルグラなどを作るカルビーは会社の方針によって非GM作物を使うようにしているそうです。
 表示義務のない商品でも非GMの食品だったら、企業やスーパーがそのことを表示してくれればいいのに、と思ってしまいます。しかし、GM技術は安全とされていますから、そう大きな声で言えないのかもしれません。
 もし非GMであるという表示がされれば、表示義務がある大豆製品のように、消費者は非GMの製品を選び、売り上げも伸びるはずです。
 そして、GM作物の使用を減らすためにもっと良いのは、表示制度がより厳しくなることです。そのために私たちもこの問題に対して意識を高め、表示制度の厳格化を求める必要があると思います。
 私たちが関心を持たないままでいると、TPPが発効してしまったときに、アメリカの圧力によって表示制度がさらに緩くなる可能性があります。アメリカは、GM作物・モンサントへの反発が強くない日本を、GM作物のさらなる輸出拡大や、新開発のGM魚売り込みのターゲットと見なしているはずです。
 もし、今あるGM表示のルールも無くなってしまえば、日本人の食はこれからずっとGM作物に頼らなければならなくなってしまうでしょう。そうなれば近い将来、日本人の遺伝子の中にモンサントのロゴが見つかるなんてことがあるかもしれません。


 身の回りがGM食品だらけのこの現状を知れば、もう食べざるを得ない、仕方がないとあきらめる人もいるでしょう。でも、私はGM食品が好きになれないから、やはり口にしたくはないです。表示の厳格化がGM作物を減らすために効果的ですが、日本ではこの問題への関心は低いので、それが実現するのはなかなか難しいでしょう。
 ですから、私たちにできるのは、どういったものにGMのものが使われているか知り、ふだんの生活でGMのものをなるべく選ばないようにする、ということだと思います。GM作物やモンサントについてもっと知ってもらい、多くの人がGM食品を買うのを減らしていくことが、この問題を改善させる大きなポイントです。
 これまでGM作物の栽培量は増え続けてきていました。しかし、世界的な反GM反モンサント運動によって、人びとが非GMの作物・食品を選択するようになってきたため、最近では非GM作物の栽培量が増えてきているということです。アメリカでもオーガニックフードが流行したり、GM表示の義務化運動が各地で起きたり、GM食品を使わないという食品会社・レストラン・スーパーなどが増えたりしています。
 こういった世界の潮流から完全に日本は取り残されていますが、この反GMの流れを応援するためにも日々の買い物で非GM食品を選ぶようにしたいものです。そのためにできることはいろいろあるので、今回の記事に書いたことや、ネット、本などの情報を参考にしてみください。


 私たちが日々食べるものによって体は作られています。その体を作り上げるものが、安全性のはっきりしない食べものであってはいけないはずです。また、その食べものを作るために、今まで行われてきた農業や自然環境を壊すようなことがあってもいけません。
 今の日本では、私たちがふつうに食料品を買ったり、外食したりすれば、遺伝子組み換え作物を口にすることは避けられません。
 しかし、遺伝子組み換えのものを避けるようにすれば、外食を減らしたり、いろいろな問題があるサラダ油や、甘いもの、添加物を摂らないことになるので、健康的な食生活につながるはずです。完全に食べないということは不可能ですが、少しずつでも減らしてみてはいかがでしょうか。
 私たちの日常のなにげない買い物が、自らの健康や環境問題など多くのことにつながっていると思います。



 毎年、お正月にはお汁粉を作ります。
 圧力鍋であずきを煮れば簡単にできるので、お汁粉のあんこは手作りです。
 私はあのお汁粉の甘さと独特の舌ざわりが子どもの頃から好きで、お汁粉を食べるとなると少し気分が上がります。
 そして、私はお汁粉だけでなくあんこ自体好きなので、正月以外にも作ってあんみつや小倉トーストにしています。


 あずきは弥生時代から栽培されていたとも言われるほど日本人になじみ深い食べ物です。
 豆なのでたんぱく質や食物繊維を含み、カロリーも少ないので、あずきが健康に良いのは間違いありません。
 また、最近は煮汁を飲むとという「あずき水ダイエット」が話題になっています。中国ではあずきをたくさん食べるダイエット法があるというのも聞いたことがあります。
 栄養があってやせる効果もあるあずきに、砂糖を加えて甘くして口どけのいいあんこを作るというのは、とても良く考えられた組み合わせに思えます。

 ―――といったことを記事にしようと思い、あずきについて少し調べたら、私の想像以上の健康効果があることを知り驚いてしまいました。 
 今回はこのあずきの素晴らしさについて書いてみます。
 これを知ったら、あずきやあんこを積極的に食べたくなるかもしれません。




 あずきの栄養価は本当に高いです。
 まず、あずきはたんぱく質を約20%含んでいます。このたんぱく質は必須アミノ酸の含有量の多い良質なものです。

 食物繊維はゴボウの3倍もあります。
 あずきの食物繊維は不溶性のものが多く、便通をよくする、腸内の有害物質を排出する、といった働きをしてくれます。

 糖質や脂質の代謝、疲労回復、皮膚の保護などさまざまな働きをするビタミンB群も豊富です。

 カリウムや鉄分、亜鉛、カルシウムといったさまざまなミネラルを含みます。
 体の余分な塩分、水分を排出して高血圧やむくみの予防・改善に役立つカリウムは、含有量が多いとされるバナナと同程度あります。
 不足すると貧血になる鉄分もほうれん草の2.7倍含まれています。

 
 そして、あずきの栄養で特に驚きなのは、抗酸化作用のあるポリフェノールがとても多いことです。
 ポリフェノールは体の老化を防ぐとされます。あずきには世界のあらゆる食品の中でトップクラスの量が含まれています。
 ポリフェノールというと赤ワインが有名ですが、北海道産あずきのポリフェノールは赤ワインの1.5~2倍あるということです。
 
 あずきの皮に含まれるサポニンという成分にも抗酸化作用や、中性脂肪値を下げる、血液をきれいにして血栓を溶かす、むくみを解消する、などの効果があります。


 あずき水にはポリフェノールやサポニンなどの成分が溶け出ているため、利尿作用や脂肪の分解などが促進されて、ダイエット効果を期待できるみたいです。
 今回、煮汁の健康効果が高いと知ると、今までエグみが強いと捨ててたのに、「なんてもったいないことをしてたんだ、次からは飲むようにしよう」と見方がすぐ変わったのには、自分でも苦笑してしまいました。


 好みがありますが、あんこは皮にサポニンや食物繊維、ポリフェノールなどがあるので、こしあんよりつぶあんの方がいいと思います。(私は昔からこしあんの甘さが苦手なのでつぶあん派です)
 煮あずきのGI値は45と低いのに対し、あんこは80と高くなります。
 しかし、砂糖を加えてあずきを煮ると、抗酸化作用のあるメラノイジンという物質ができるそうです。

 食べるなら煮あずきの方がいいのでしょうが、あんこも食べすぎないようにすれば健康効果は高いはずです。
 最近は甘いお菓子といえばクリームやバターをを使ったものを食べることの方が多いです。しかし、あんこは健康効果もあってカロリーも低いですし、添加物もあまり使われないので、その良さはもっと見直されてもいいと思います。



 あずきは安いので自分で煮るのがお勧めです。
 ここでは煮汁をあずきに含ませる作り方を紹介します。
 あずき300gを2分ほど乾煎りした後、鍋に移し500㏄の水で強火にかけます。
 沸騰したら火を弱め、差し水を約100㏄加えます。再度沸騰したら弱火にして水気がなくなるまで30分ほど煮ます。

 これはあずきの研究をしている農学博士の加藤淳さんの勧める煮方です。
 乾煎りすることで渋みを抑え、ポリフェノールなど煮汁に溶け出す成分をすべてあずきに吸い含ませることができるそうです。 
 でも、私は手軽にできるので圧力鍋を使っていつも煮ています。
 あと、煮る前に痛んだあずきがないか見ることと、あずきをよく洗うことは行ったほうがいいと思います。
 

 煮たあずきは、ご飯やサラダ、スープ、煮物などに加えたり、砂糖を加えてあんこにしたりとさまざまな使い方が可能です。たくさん作って冷凍保存することもできます。



 和食の特徴として、味噌、しょう油、納豆など大豆をいろいろ使うことが挙げられます。
 大豆は多くの栄養が含まれる素晴らしい食品ですが、小さい豆・あずきも今回書いたように若返り、ダイエットなどさまざまな健康効果があります。
 ふだん、あずきといえば、お赤飯やまんじゅうで食べるだけです。
 でも、さまざまな栄養を含み、赤ワインより抗酸化作用があるあずきはスーパーフードとも言えるでしょう。身近にあって値段も高くないですから、もっと私たちの食生活に取り入れてもいい食べ物ではないでしょうか。



プロフィール

Author:まやと
努力なしで最大限の成果を得られる健康法を日々探求しています。趣味 野菜料理を作る 音楽を聴く
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